散歩主義

2004年06月14日(月) 遠くからの声



夕方、ラジオで中村雅俊さんの番組を聞いた。毎日、10分(確めていないです)ぐらいの短いインタヴュー番組。朝日放送ラジオ。
この番組は東京をキーにして全国に流れているんじゃないかな。

ホストがメジャーな方だからだと思うけれど、ゲストも短い番組にもかかわらずメジャーな人が多い。
今日のゲストは鈴木亜美さん。

二人の話を要約すると、自分のやっていることが、果たして人たちに届いているのかどうかという不安についてだった。
演者としての不安、と言い換えてもいいかもしれない。

特に、鈴木さんはシーンでの不在が長かっただけに、ステージでふたたび歌い出した時の不安の強さを、率直に語っておられた。だけど、彼女にもましてそのことを強調していたのは中村氏のほうだった。その切実さに驚いた。

たしかにパフォーマー、シンガー、あるいは表現するものたちは闇の中の湖に向けて石を投げ込むようなところがある。どの辺に落ちたのか、どんな波紋なのか、はたまた飛沫に一瞬でも虹がかからなかったか…投げた者にはまったくわからない。
ぼくはそう思う。

中村氏はそんなときに、一番嬉しいのは、ファンからの「励ましの声」だという。それで届いていることが確認できるわけだし、やっていてよかったと心のそこから思うという。
たぶん、そのことの繰り返しなのだろうな。彼ほどの位置にいる者でも常にそういう感覚でいるのだ…。鈴木さんが大きく同調されていたのは言うまでもない。

人は人の声に支えられている部分がとても大きい。内へ内へと入りこんでいるにしても、外に出ていくとき、人の声がどれほどの支えになるか。
あるいは自分を見失わないためにも、実は他者の声の存在は重要なのではないだろうか。
鏡のようでもあり、優しい風のようでもある。なにより言葉の力を知る機会でもあるように思った。
声に出会うこと…声をかけること…。


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