以前書きました、外猫の一匹が産んだ子猫。またしても育児放棄されました。 ぎりぎりまでは母猫の帰りを待ったのですが、このままでは全員、死んでしまうと判断して、生存している2匹をなんとか一人立ちできるまで面倒を見ることにしました。
一応、扉のついたケージの中にフリースを詰め、それを古いテレビ台の下にいれ、両脇に湯たんぽを置いています。そのセットを物干しに作りました。 雨風はしのげます。 朝から昼、夜、寝る前とミルクをあげ、排泄をします。 一匹は目も開き、元気ですが、もう一匹は微妙。弱すぎますね。だけど少しミルクを飲むようになったのでかすかに希望は持てます。
今回のこと、それとキキやピピ、ルルの時のこともミックスして、800字の「天使」という作品にしました。 下記がそうです。
連休はどこにもいけませんね。それでなくても無理なのにダメを押された恰好です。
やっと静かになって、PCに向かっています。 背後ではバッハのオルガンがなっています。 今日聴いているのはコラール前奏曲「イエスよ、いまぞ汝御空より降り来たりて」BWV650。オルガンはカール・リヒターです。 これから幻想曲とフーガを聴きます。では、800字をどうぞ。
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【800】天使
「では家族会議を始めます」 朝食のあと、母がきっぱりと言った。少し含み笑い。もう結論は出ていたから。 「キシの子供が、また見放されました。ついては我が家で育てるかどうか意見が聴き たいんだけど」 「生命は大事です」赤ペンを競馬新聞に走らせながらと父が言う。 「そうよね。じゃあ決定。とにかく生かしましょう」 わたしの意見なんて、聴くまでもないというふうに私の眼を見ながら母はいった。
我が家では、ある日、勝手口に迷いこんできた野良猫の世話を見始めたのを皮きり に今では合計7匹の野良猫の面倒を見ている。その中のキシという雌猫はこれが四回 目の出産だった。 そしてこの猫の悪い癖は生まれて一週間ぐらいで養育を放棄する事だ。そしてほと ぼりが冷めたころに戻ってくる。 今回も3匹を物干しに用意してある野良猫用の箱の中に連れてきた。最初は自分で 面倒を見ていたが、一週間を過ぎてから、様子がおかしくなり始め、箱から姿を消し て三日目になる。 もうすぐ五月の連休だったけれど、父はもう今年は家にいると宣言していたし、わ たしももう覚悟は決めていた。とにかく生後約3週間ぐらい、つきっきりで面倒を見 なければならない。殺すわけにはいかないのだ。 私と母はタオルやら脱脂綿や猫ミルクの用意を始め、父は万馬券を誓いながら自室 へと消えていった。
野良猫たちの遊園地と化したベランダに出て、古い猫ハウスを光の中に出す。昨晩 もいれておいた湯たんぽを回収すると、横に茶色の縞と黒の縞の赤ちゃんがしがみつ くようにいた。抱き取ったとたんにぎゃあぎゃあ泣く。目の上が汚れていて濡れた脱 脂綿で静かに拭いていった。かさぶたのような盛りあがりがとれ、黄色い膿が拭えた その時、目が開いた。 …ようこそ、この世へ… お腹をさすり排泄させ、それからミルクをやる。月曜日には獣医さんに連れていこ う。 我が家の連休が潰れるのは3年連続。理由は同じである。
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●800字です。御題は「五月の連休」に、「遊園地」で、「赤ちゃん」が、 です。 ほぼノンフィクションに近い状況です。今、私の立場がまさに赤ちゃん猫飼育係です。 当分、どこへもいけません。今回は外猫ですけれども。
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