| 2004年02月06日(金) |
ジャズに引き戻される |
アビイ・ロードなんか引っ張り出して、ジャズを聞かないでいたら、どえらい文庫本がぼくをジャズに連れ戻しに来ました。
村上春樹・和田誠 共著の「portrait in jazz」の文庫本が新潮社からでたのです。かつて単行本で2冊になっていたものが合体し、さらに書き下ろしが三人増えました。 人選はほとんどイラスト担当の和田さんのようですね。そもそものコンセプトの一つが亡くなったジャズマンだったそうですから古い人が多いです。それも途中からはその枠もとって自由に選んだようです。
この55人のジャズマンとその作品の紹介。「ジャズ名鑑」ですね。 まさにストレート・ジャズ。 にやりとする部分も多いし、ふたりともとことんジャズが好きなんだというのが、よくわかります。
たとえばセロニアス・モンクで「5xmonkx5」を取り上げる人はあまりいませんよ。それと春樹氏がそれを手入れた当時の新宿の様子がなんだか「わかる」んです。時代の匂いもね。 60年から70年ごろ、東京にすんでいたジャズファンには、もっとリアルだろうなと思います。
それと音楽を表現するのに春樹氏が渾身の力を振り絞っているのがよくわかって、彼の「詩人」の部分もわかる気がします。 初めて、だとかジャズをあまり聞いていない人が読んでも引きこまれるのは間違いありません。
だいたいここに取り上げられている作品やジャズマンは全部聴いていますが、今、てもとに無い!といちばんあせったのはソニー・ロリンズの「橋」でした。 だいたいコルトレーンですから。 理科系コルトレーン、純文学系ロリンズという春樹氏の「読み」は、まさにその通りで、ぼくのなかでは「左脳のコルトレーン」「右脳のロリンズ」なんですよね。 理詰めと閃きの違い。 だからコルトレーンの演奏には「はずれ」はなく、緻密に積み上げていく音の壮大な綴れ織りのようなのですが、ロリンズは、はまると大変!という演奏。 天才なんですよね。だから、外れるととんでもない。
コルトレーンばかり聴いて、ロリンズ聴いてなかったなぁ、と反省しきりなのであります。 よーし、ジャズを聴くぞ!!
もうひとつ文庫本のお話。 小川洋子さん。「博士の愛した数式」が読売文学賞を受賞しました。めでたしめでたし。 この本で小川洋子さんの大ファンになつたのですが、(書評をゴザンスに書きました)彼女の「偶然の祝福」が角川文庫から発売になっているようです。早速、注文しましょう。
春樹氏と和田さんののジャズへの愛着に触れて、元気になりましたぜ。感謝!!
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