散歩主義

2004年01月04日(日) 後期ウエス・モンゴメリーの世界

今日は素晴らしい晴天。にもかかわらず外出はできないという日です。
ま、いろいろありましてね。

で、なんだか朝からウエス・モンゴメリーを聴きたくなって、朝に聴き、今また聴き。たぶん夜にも聴くでしょう。

ウエス・モンゴメリー。たぶん彼のようなギタリストは二度と現れないでしょう。天才ジャズ・ギタリストです。
朝から聴いたのはピアノのウィントン・ケリーの絶頂期のトリオ(このトリオがそのままマイルス・デイヴィスのコンボのリズム隊でした)とのライブ。「smokin‘ at Half Note」というタイトルです。それから、ジャズギタリストとしての白眉ともいうべき「インクレディブル・ジャズギター」。こちらはトミー・フラナガンとやってます。
まぁ、最初聴いた時は言葉を失いました。指の速さだけじゃなくてフレージングからなにもかも。最近、やっと落ちついて聴けるくらいです。

ミュージシャンではないぼくでも凄さはわかるといいきれます。あるいはジャズギターを初めて聴く人でも、彼の音は一度聴いたら忘れられないと思います。ほんとですよ。親指から弾き出されるあの音…。

と、彼の代表作を聴いていって、(ほかにも「Full House」というライブの傑作があります。)やはり亡くなる前のヴァーブとA&Mに残した作品に行きつきます。

1966年  California Dreaming
1967年  A Day in the Life
1968年  Road Song
1968年  Road Song発表の1ヶ月後、心臓麻痺で死亡。

思えばイージー・リスニングだとかなんだとかつまらない論評がされたものだと思います。これだけのギターを弾ける人がいますかね。つまりなにを弾いてもジャズになる。ジャズにしてしまう人。ウエス流のジャズに。

キーワードはひとつ。
「歌心」です。

彼の遺作「Road Song」がぼくの見方ではいわゆるフュージョンの先駆けとなりました。彼がもう少し生きてくれていたら、素材の組み合わせだけの音楽じゃなくて、ジャズか歌心を広げるためにエリアを広げていくというフュージョンにもっとリードしてくれたのではと思います。個人的に。

好き嫌いはひとそれぞれだけど、ぼくはこの後期ウエス・モンゴメリーを高く評価しています。
たしかにポップな味付けの各作品だけれど、よく聴けばもう抜群のギターだし、彼が選んでいる曲のどれもが美しいメロディーラインを持っています。
「カリフォルニア・ドリーミン」はママパパで有名な曲。ほかにもR&Bの名曲「サニー」、ポップチューンの「バルセロナの風」。
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」はビートルズのサージェントペパーズだし、「エリナー・リグビー」もビートルズ。あ、「国境の南」も入ってます。
「スカボロー・フェア」「グリーン・スリーブス」「イエスタディ」…

たぶん「男が女を愛する時」とか「花はどこへ行った」とかの題名を聴いたら顔しかめる人がいるんだろうけれど、まぁまぁまぁ、どれ聴いてもウエスですよ。


それにそれぞれに収められているウエスのオリジナルがとても美しい。
「SUN DOWN」「Mr.Walker」「ANGEL」など。
ポップがいやな人はこういう曲だけでも聴く価値はありますね。

あんまり語られていませんが「カリフォルニア・ドリーミン」にはマイルス・ディヴィスがバッキングしているし、若かりしころのハービー・ハンコックはウエス・コンボには欠かせないピアニストでした。ロン・カーターも参加してます。
バックの演奏もご機嫌なのです。

カテゴリーは必要だとは思うけれど、孤高の天才というのはもっと根源的に「歌」を求めているんじゃないのかな、と。ウエスやマイルスの生涯を思うと、そんな事を考えてしまいます。

参照CD
「California Dreaming」(Verve)(邦題「夢のカリフォルニア」)
「A Day In The Life」(A&M)
「Road Song」(A&M)


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