散歩主義

2003年11月06日(木) インド・モンスーン

ぼくは紅茶が好きです。味わう前にどこのどんな紅茶かを調べることがとても楽しみでもあります。紅茶にはそれこそ数えきれない種類とブレンドがあって、その由来を読んでいるだけで楽しいんです。同じことは珈琲にも言えるのだけれど、紅茶ほど熱心には調べません。産地の違い、豆の違い、ローストの程度の差、挽き方の違い、それと水。ほとんど店の個性にまかせています。自分の好みのブレンドをつくるほどではないんです。

京都ではイノダだとか六曜社のような有名な喫茶店が豆も売ってくれますが、たいていローストが深め。だからコクはあります。だけど少し口残りがして、さっぱりした味が好きな人にはこれがどうもだめみたい。…実は家のものがそうなんです。
ぼくは高校の頃からそういう喫茶店に入り浸っていたから、どうしてもそちらの味に慣れてしまっています。もちろん浅いアメリカンというのもあるけれど、さっぱりはしていても物足りなく感じていたからほとんど飲んだことがなかったのです。で、いいかげん共通して飲める豆はないものかと、探していたわけです。

京都という街は碁盤の目の中に限って言えば、広さのわりに自家製のパン屋と自家焙煎の珈琲「豆」屋が多いと思います。で、結構外れがないんです。
そんななかで、とても素敵な夫婦がやっている珈琲豆屋を探し当てました。場所は大徳寺の近所、北大路です。

とにかく優しくて、サービスがいい。料金は適正。ローストの腕も確か。仕入れている豆も良いものを選んでいます。
「京都から全国に発信する」 そういう意気込みをもって夫婦二人でやっているのだそうです。そう言うわりには脂ぎったところがありません。実はとんでもない男前と美女の夫婦なんですが。…余談ですね。

とにかくさっぱりしていて、しかもおいしいのをということで、店主と相談し、アメリカンタイプのすぐれもの「インド・モンスーン」を買いました。まるで紅茶のようなネーミングなのだけれど、出した珈琲の色もまるで紅茶のようです。
インドの西海岸産。アラビア海を渡ってくるモンスーン(貿易風)に晒して、なんと陰干しをした豆だそうな。挽いた豆の色は黒やこげ茶ではなく、白の入った浅い褐色。味は香り高く、とてもさっぱりしています。口残りなんて全然しない。煎りむらがない。ぼくはミルクを入れるのだけれど、ミルクを入れるとさあっと香りが立つ。それがなかなかのものなのですよ。とにかくあっさりしてはいるものの、アメリカンをみなおしたという次第です。

店主がしきりと「陰干し」を強調していましたね。何かの揮発を慎重に押さえているのかな。それと「モンスーン」という名前がいい。まるで風を封じこめたような色と香り。
あなたの近所に「インドの貿易風」はありますでしょうか。是非一度お試しを。
モカやキリマンが好きな方にはちょっとオススメできませんが。


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にしはら ただし [MAIL] [HOMEPAGE]