散歩主義

2003年09月21日(日) 久しぶりにイチローのこと

シアトル・マリナーズのイチローについてはなんどかここでも書いたことがあります。
身体の動かし方や自らのポリシーを崩さないことや、驚くべき練習量のことなど。
あいかわらず、ぼくは彼の大ファンです。

メジャーリーグで、完全に確固たる地位を築いたイチローではあったけれど、今年の後半は(まさに今)ファンとしてはほんとうに肝を冷やしました。
7年連続首位打者を獲得し、3割はあたりまえ、常に3割5分前後のハイアベレージが当然のように見られていたイチローが、首位打者争いから転落すると、3割も危ないところまで、打率が落ちるという極度のスランプに陥ったからです。

それでもヤンキースの松井と比べれば断然数字はいいんですが、(初めてメジャーに挑戦して、いきなり100打点以上をたたき出している松井という選手もモンスターです)なんせ、「あのイチローが」なんです。

短いスランプはあってもすぐに調整して立ち直ってきていた彼がずるずると崩れていく姿を信じられない気持ちで見ていました。
もちろんスーパーな守備と走塁は健在で、それだけでもチームに多大な貢献をしていますが。

もし今日、5打数無安打だったらイチローが2割9分台に打率が落ちたと、大騒ぎになっていたでしょう。結果は4安打を打ち、打率を3割1分1厘までもどしました。それ以上にすばらしいのは年間200安打を記録したということ。
これは3年連続で、大リーグにも数人しかいない記録です。

もともとイチローは打率云々よりも、安打数200本を目標にシーズンをスタートさせます。この年間200本という数字がいかに凄いかは試合数は違うけれど、日本の高打率の打者の安打数を見てくれればわかります。ちなみに日本記録はイチローが持っていて、今年、阪神の今岡が届くかと見られましたが、やはり無理でした。

200本を打ったその日のインタヴューで、「こんなに苦しいのは初めてだった」と正直に感想を述べました。こんなことをいうイチローに初めてみました。
正確には高校時代に交通事故で野球が一時、できなくなったとき以来だといいます。

常にクールで飄々としたイチローでもこういう壁にぶち当たることがあるんですね。こんかいはそれを乗り越えた、とぼくは思っています。

チームの調子が悪く、ヒットではなく長打を狙って打点をあげようとしたところから、バッティングが狂いだしたように思います。現在もマリナ―ズはリーグ優勝とワイルドカードを賭けて際どい戦いが続いています。
「チームのために」そのことを第一義にして自分を変えようと苦しんできたイチローですが、本来の姿に、いやさらに強くなってリニューアルされた感がしますね。

彼のなにかが変わったとおもいます。そしてより一層、変わらなくなった信念を感じます。

彼のひとこと。
「はやく、弓子と一弓のいるシアトルにかえりたい」
弓子は奥さん、一弓は柴犬です。
彼女がいなければ現在はなかった。イチローが奥さんに対する感謝の言葉をさかんにマスコミで語りだしたのも、今年になってからでした。

シーズンも残りわずか、リーグ優勝は厳しいかもしれないけれど、イチローはこれから打ちまくりそうです。そんな予感がしています。


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