散歩主義

2002年12月18日(水) 「摩」という字。

昨日の夕刊、毎週楽しみにしている華雪さんのミニコラム。ぼくの知らない陶芸家ルーシー・リーさんのお話。彼女のことは作品をどこかで探してから、ということにして、興味を引いたのは「摩」という字についての簡単な記述。

彼女の「てん刻」も「摩」という字。そのカタチは「手でなにかをもむかたち」だ、と。そういわれて字を眺めると、しなやかな手首が見えてくるから不思議。

広辞苑によれば、「摩」とは「なでこすること、みがくこと」とあります。よく似た意味でつかわれる「磨」は「こすりみがくこと、とぐこと」とあります。
同じ「つくり」の下に、一方は「手」、もう一方は「石」。

「手」の方が時間がかかるけれど暖かな感覚がします。「石」には厳しい強さと激しさを感じます。

陶器というのは、石から切り出すのではなく、土をこねってつくります。なるほど「摩」という字がふさわしいかも。
ところで、「摩」という字にはもうひとつ意味があります。それは「とどくこと、せまること」という意味。「摩天楼」の「摩」です。

なぜること、とどくこと。かたや、けずること、すりへること。
なにかを創り出す、あるいは輝きを得ようとするやリ方。同じように見えても内在しているベクトルはまったく逆。
いやたぶん、同じように見えても、目を凝らせば違うのでしょうね。その輝きが。

話題変わって
今年の歴程賞(第40回藤村記念歴程賞)は藤井貞和さんの詩集「ことばのつえ、ことばのつえ」と幸田弘子さんの長年の「舞台朗読」にたいして贈られました。
藤井さんのこの詩集は素晴らしいです。その「ことばのつえ」の由来となった本も読むべきかな、と思っています。
李良枝さんの本です。





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