昨日の夕刊、毎週楽しみにしている華雪さんのミニコラム。ぼくの知らない陶芸家ルーシー・リーさんのお話。彼女のことは作品をどこかで探してから、ということにして、興味を引いたのは「摩」という字についての簡単な記述。
彼女の「てん刻」も「摩」という字。そのカタチは「手でなにかをもむかたち」だ、と。そういわれて字を眺めると、しなやかな手首が見えてくるから不思議。
広辞苑によれば、「摩」とは「なでこすること、みがくこと」とあります。よく似た意味でつかわれる「磨」は「こすりみがくこと、とぐこと」とあります。 同じ「つくり」の下に、一方は「手」、もう一方は「石」。
「手」の方が時間がかかるけれど暖かな感覚がします。「石」には厳しい強さと激しさを感じます。
陶器というのは、石から切り出すのではなく、土をこねってつくります。なるほど「摩」という字がふさわしいかも。 ところで、「摩」という字にはもうひとつ意味があります。それは「とどくこと、せまること」という意味。「摩天楼」の「摩」です。
なぜること、とどくこと。かたや、けずること、すりへること。 なにかを創り出す、あるいは輝きを得ようとするやリ方。同じように見えても内在しているベクトルはまったく逆。 いやたぶん、同じように見えても、目を凝らせば違うのでしょうね。その輝きが。
話題変わって 今年の歴程賞(第40回藤村記念歴程賞)は藤井貞和さんの詩集「ことばのつえ、ことばのつえ」と幸田弘子さんの長年の「舞台朗読」にたいして贈られました。 藤井さんのこの詩集は素晴らしいです。その「ことばのつえ」の由来となった本も読むべきかな、と思っています。 李良枝さんの本です。
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