毎朝のルーティーン。まず珈琲を淹れる。CDをかける。それからフリスキーの缶詰とドライを混ぜて外猫8匹分のご飯づくり。それがだいたい午前4時過ぎ。 そのころになるともう、そとでみゃーみゃーなきだす。なく猫は2匹だけなんだけど、なんせ早朝なんでうるさい。昨日もここまではいつもどおりの日常。
惨劇はその直後。いつもはブロック塀の上と隣家の屋根の上にのってる野良たち、よほどお腹をすかせたのか動きが活発だな、と思った瞬間その中の一匹、通称ハナモが20cmほどあいた勝手口から我が家に侵入したのだ。 その時、その部屋にはジャンが独りうつらうつらと寝ぼけまなこでいた。
ハナモは野良特有のすばしっこさで部屋にはいり、くつろごうと思ったのだが、すぐにとんでもない部屋にはいったと直観。スピーカーの上、本棚の上、それから隣のキッチンのシンクの上、さらにその隣のバスタブの中と逃げ回った。
パニックを起こしたのはジャンも同様である。モソモソと立ちあがるのが見えた。それを横目に、風呂場から追い出しドアを閉め、2階にいかないように階段に出る扉を閉め、じわじわとハナモを追いたて、なんとかシンクの奥の調味料入れの裏に追い込んだ。
動きがそこで止まった。と、部屋をみまわすとジャンがいない。開いているのは20cmだけあいた勝手口のドアだけだ。その20cmが全開になっている。全開になったら雪崩れこんでくるかもしれない他の外猫の気配がない。 まずい。あわてて勝手口から外を見ると猫は全員「逃げた」後だった。 ジャンが猫を蹴散らして逃亡したのだ。ふりかえるとハナモはすっかり怯えてちいさくなっている。よし今の間に、ジャンを追跡だ。
パジャマのまま勝手口から出て、ジャンを追う。すると少し行ったところで不安げに佇むジャンを発見。お尻をたたき、頭を撫ぜ、鼻の頭をさすり、みみのうしろをこちょこちょして「さぁじゃんちゃーーんかえろうねぇ」と言っても動かない。 全然動かない。体重68キロの体で足を踏ん張って帰ろうとしない。これは首輪とリードがいる。しかし玄関まで15メートル。えーーい、いちかばちかだ。 「じゃんちゃんうごいたらあかんよー」といって玄関にダッシュ。
素早くリード付の首輪を掴んで振りかえると、いない。白い巨体が通りから消えていたのだ。 まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいずいずいずいずい゛ずい゛ーーーーー。
あの体で通りを歩いたら早朝ウォークキングのおバァさんが卒倒する。そしたらた警察が出動してジャンは捕捉される。暴れるだろうから下手したらしゃさつーーーー。まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずーーーーーい。
近所の路地のどこを見てもいない。その時ひらめいたのは、あいつは太ってるから少しでも登りになった道は歩かないはずだ、ということ。 で、散歩コースから少しだけ下りになった道にあたりをつけてダッシュ。 しばらくいくとある家の角の垣根から白い大きな頭だけが出ている。ジャンだ。眉間にしわを寄せていやがる。 駆け寄ってリードをつけ、「さあ帰ろう」というと、こんどは従った。玄関前で若干の小競り合いがあったものの、なんとか家に押し込むことに成功。
さて、と。つぎはハナモである。ジャンは玄関に閉じこめてあるから、1対1だ。 調味料入れと窓ガラスの間にひそんで小さい声で「みゃあ」といってる。 「ごめん」と言ってるようだ。左側からガラス戸を開けると兎よりも早く逃げていった。
はぁぁぁ。やれやれ。 被害はシンクに入っていたコップが3個。 玄関をあがった板の間からジャンを中に入れると、疲れたのかすぐに横になった。 こうやって早朝の騒動は終わった。なおハナは2階に、ピピルルキキは別の部屋にいて、この騒動に参加していない。
なお、猫に反省の2文字はない、のいわれどおり、今朝もハナモはやって来て、みゃあみゃあとご飯を食べていました。ただ、塀の上から絶対に降りようとしませんでしたが。 あー、しんどかった。
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