新聞の日曜版は読書特集が組んである紙が多いです。 「海辺のカフカ」のレヴューもいくつかでていました。 わりと好意的なものが多いです。
ぼくの意見としては、あの本は戦うことを宣言した本でもあると思うのです。 悪の代名詞たるジョニー・ウォーカーとのはっきりとした訣別、あるいは戦うことの宣言です。ナカタさんもホシノさんもジョニー・ウォーカーを「殺し」ます。 その意味が深い。この作家がそれを書いたことを覚えておくべきだと思います。 やはり戦うのです。不条理なまでの怒りを自らに許すのです。 それをどうとるか。
昨日、ある方の日記で、捨てられ殺される犬の写真を見てしまいました。 「海辺のカフカ」にでてくる猫ごろしのコレクターにしてカフカ君の父、ジョニー・ウォーカーがすぐに頭に思い浮かびました。 また、あるテレビのバラエティで「こいつは絶対駄目だと思った時」という質問に答えてこういうのがありました。 彼女から旅行をせがまれて、犬がいるからなァ、と言ったところ「いいじゃない、保健所に持ってきゃ。かわりはいくらでもいるでしょ」という答えが返ってきた、と。 さりげなくそういう意見は多いのでしょうね。
自らに不条理なまでの怒りを許すほどの「悪」。 だけど、本当の「悪」は人を怒りに導くものではないと思います。 人の「やる気」を奪い去るものが本当の悪です。 It‘s my opinion.
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