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2004年02月13日(金)  年代物(?)のIH炊飯ジャー(後編)

価格の理由となる機能を差し置き、
そのデザイン・コンセプトに5万円以上払ったんですから、
私って変わり者でしょうか?(笑)
一応当時は工業デザイナーでありましたので、
自分の周りに格好悪いものを置きたくなかったんですよね。

と、まあ、まずは形から入ったのですが
(言葉の使い方間違ってますね)、
実際機能も素晴らしいものでした。

これで炊いたご飯の美味しさは、
今までの炊飯ジャーとは比較にならないレベルにあり、
色々な食事処でご飯を食べる度、
「ウチで炊いた米の方が美味しい」と感じる程でした。
そして「自宅でこんな旨い米が食べられるとわっ!」
と感涙にむせびながら食したものです。(これは嘘)
今では当たり前のようにIH炊飯ジャーが
普及していますので、その炊き上がり具合に
いちいち感動する人はいないかもですが…。

さて、製品としては非常に良い物なのですが、
他の炊飯器と比較すると突出して高価なため、
販売実績の方はなかなか伸びなかったようです。
ちなみに、私が買ったのは発売直後で、
皆に「良いよ」と薦めまくったのですが、
実際購入に至ったのは我が実家だけでした。(笑)
(それも1、2年後くらいじゃなかったかな。)

そんな状況だったのですが、ある時
このIH炊飯ジャーに転機が訪れました。
新聞にもこの転機に関する記事が掲載されましたので、
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

「笑っていいとも!」の「テレフォン・ショッキング」に
ゲストとして登場したある女優さん
(確か室井滋さんだったと記憶していますが、
 小林聡美さんだったかもしれません)が、
別にその炊飯器のCMに出演している訳でもないのに、
話の流れから「今、IH炊飯ジャー使ってるんだけど、
これが凄く美味しいのよぉ」と、IH炊飯ジャーの
良さについてタモリに熱く語ったのです。

たまたま再放送の増刊号でそれを見て、
「そうそう、さすが判ってらっしゃる」と
独りTVに向かって頷いている私がいたのは
言うまでもありません。(笑)

その放送を見た時は、特に気にしていなかったのですが、
最近では「おもいッきりテレビ」で取り上げられた食材が、
翌日から途端に品薄状態になるように、この日を境に
このIH炊飯ジャーの売り上げが倍増したそうです。
恐るべし、TVによる口コミ効果!

飽和製品であった炊飯器に楔を打った、
このNational製のIH炊飯ジャーのヒットを受け、
各メーカーがこぞってIH炊飯ジャーを開発したのは
猿真似国家日本の名に恥じぬ行為と言えましょう。(笑)
それまでの炊飯器より利鞘が大きくできる
高額商品だったというのも魅力だったのかも。

それもこれも、National製のが売れたからこそであって、
その女優さんのTVでの一言がなければ、
[良いモノだけど高くて売れなかった製品]として
歴史に埋もれていたかもしれないんですよね。
成功と失敗は紙一重です。

時は経ち、結局今ではどのメーカーも、
メインユーザーである女性に好まれ易いと
思い込んでいるのか、いかにもキッチン家電という
デザインに落ち着いてしまったのは、ちと悲しいです。


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