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2004年01月20日(火)  総天然色 AKIRA(その2)

前回の続きです。
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左右反転以外の画面上の違いとしては、
セリフが横書きになったことによるフキダシの形の変化
(縦長から横長に)と、擬音の英語化があります。
(ちなみに今回の国際版日本語訳の文章も、
 左開きに合わせて横書きになってます。)

アメコミではフォント(活字)の大きさによって
声の大きさや感情を表現しないのか、
フキダシが総じて小さく、例えば大佐が大声で叫ぶ
「何だとォ」のフキダシも
1/4くらいの大きさしかありません。
(伊達にオリジナルの状態を憶えているだけに、
 迫力なくてものすごく違和感を感じます。)

大友さんと言えば、擬音も画面の構成要素のひとつとして
センス良くレイアウトされていたのですが、
英語に直された擬音は、いかにもアメコミの書体で
原画が本来持つバランスを崩してしまっています。
連載時に話題となった、かの有名な[ドドドの開き]も
当然表現されていません。


   ↑[ドドドの開き]は、こんな感じ。

そうやって各コマの中も手を加えられているのですが、
形や大きさが異なるフキダシや擬音を書き換えると、
どうしてもオリジナルの部分で白くなる
(何も描いてない)箇所が出てきてしまいます。
そこがベタなら大した手間ではないのですが、
そこに背景が描いてあろうものなら、
空白部分にはオリジナルの雰囲気を損ねないように
絵を描いてあげなければいけなくなる訳で、
想像するにこれまた大変な作業量でしょう。

最近行なわれるようになった少女マンガの翻訳出版の際は、
雰囲気を残すため擬音は日本語のまま残す傾向にあるとか。
実際に読めなくても、音の雰囲気って伝わると思いますし、
作者は擬音を含めて画面レイアウトをしているでしょうから、
ようやくそれに気付いてくれたのね、という感じです。

そうそう、書き足しと言えば、前回の版反転の際の文字。
左右反転すると、オリジナルでは見えていなかった文字が
見えてくるという現象が生じます。

例えば、[×中帽子店 ××店 電話031-4×××]
(×の部分はフキダシに隠れて見えない)の場合、
これを左右反転して、文字を再反転すると、
フキダシが隠す文字の場所が変わってしまいます。
そこで、[山中×子店 新×× 電話031-423×]と
文字が描き加えられています。
(ただし、大友さんが見たら嘆きそうな文字で)

他に多くあった例が、横書きの看板で、
看板の左端しか見えていなかったのが、
左右反転することにより看板の右端が見えることになり、
やはり新たに文字が加えられています。

…って、そんな所までチェックしてる私って、
AKIRAマニアですか?(笑)

<明日の分につづく>





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