周回遅れに気をつけろ!
.ALL LAP LIST.| << LAST LAP.| NEXT LAP.>>
2004年01月20日(火) |
総天然色 AKIRA(その2) |
前回の続きです。 ***************************************
左右反転以外の画面上の違いとしては、 セリフが横書きになったことによるフキダシの形の変化 (縦長から横長に)と、擬音の英語化があります。 (ちなみに今回の国際版日本語訳の文章も、 左開きに合わせて横書きになってます。)
アメコミではフォント(活字)の大きさによって 声の大きさや感情を表現しないのか、 フキダシが総じて小さく、例えば大佐が大声で叫ぶ 「何だとォ」のフキダシも 1/4くらいの大きさしかありません。 (伊達にオリジナルの状態を憶えているだけに、 迫力なくてものすごく違和感を感じます。)
大友さんと言えば、擬音も画面の構成要素のひとつとして センス良くレイアウトされていたのですが、 英語に直された擬音は、いかにもアメコミの書体で 原画が本来持つバランスを崩してしまっています。 連載時に話題となった、かの有名な[ドドドの開き]も 当然表現されていません。
↑[ドドドの開き]は、こんな感じ。
そうやって各コマの中も手を加えられているのですが、 形や大きさが異なるフキダシや擬音を書き換えると、 どうしてもオリジナルの部分で白くなる (何も描いてない)箇所が出てきてしまいます。 そこがベタなら大した手間ではないのですが、 そこに背景が描いてあろうものなら、 空白部分にはオリジナルの雰囲気を損ねないように 絵を描いてあげなければいけなくなる訳で、 想像するにこれまた大変な作業量でしょう。
最近行なわれるようになった少女マンガの翻訳出版の際は、 雰囲気を残すため擬音は日本語のまま残す傾向にあるとか。 実際に読めなくても、音の雰囲気って伝わると思いますし、 作者は擬音を含めて画面レイアウトをしているでしょうから、 ようやくそれに気付いてくれたのね、という感じです。
そうそう、書き足しと言えば、前回の版反転の際の文字。 左右反転すると、オリジナルでは見えていなかった文字が 見えてくるという現象が生じます。
例えば、[×中帽子店 ××店 電話031-4×××] (×の部分はフキダシに隠れて見えない)の場合、 これを左右反転して、文字を再反転すると、 フキダシが隠す文字の場所が変わってしまいます。 そこで、[山中×子店 新×× 電話031-423×]と 文字が描き加えられています。 (ただし、大友さんが見たら嘆きそうな文字で)
他に多くあった例が、横書きの看板で、 看板の左端しか見えていなかったのが、 左右反転することにより看板の右端が見えることになり、 やはり新たに文字が加えられています。
…って、そんな所までチェックしてる私って、 AKIRAマニアですか?(笑)
<明日の分につづく>
|