斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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中国や韓国の日本に対するデモを見ていて思う。 「祭り」は楽しいだろうな。 僕にとって「デモ=祭り」である。
僕は学生時代、「祭り」に参加したことがある。 学費値上げだとか何だかで、大学がロックアウトされた。 学費値上げは、僕の学年には適用されず、僕より後から入学してくる学生に適用されるものだったので、僕自身には関係がなかった。 僕自身にとっても学費値上げは妥当だと思えたし、反対する根拠もなかった。 でも、僕はデモに参加した。 デモに参加して、徒党を組み、大学の事務局に突撃した。 「祭り」として面白かったからである。
僕は一眼レフカメラを持ち込み、ヘルメットやゲバ棒を持ち、タオルで覆面をしたどこの大学からやってきたのだかわからない連中と記念写真を撮って回った。 僕にとってのデモは「祭り」だった。 おもしろそうだから参加してみただけのこと。
学生時代の僕は別の革命を起こそうとしていた。 学生寮の占拠である。 僕が通っていた大学の学生寮は、左翼活動家の拠点となっていた。 学生寮=左翼の拠点。 学生寮は数百人規模のものから、数人しか入居できない小規模なものまであった。 僕が狙ったのは、小規模の学生寮である。 占拠のターゲットを物色すると、占拠可能な学生寮は女子寮しかなかった。 僕は、女子寮を占拠することにした。
占拠にあたって僕が掲げたスローガンは、「終電に抵抗せよ」である。 僕が通っていた学校は、京都にあった。 女の子たちと飲んでいると、大阪、神戸に住んでいる子たちは、終電を気にして11時くらいには、帰らなくてはならなくなる。 これは、いかん。 終電に徹底抗戦し、好きなだけ遊んでいられるようにしなくてはならない。 と、いう事で僕は大学の女子寮を占拠し、終電を気にせずに遊びたいだけ遊んでいられる世界を作る、という革命を起こすことにした。
個人的な問題もあった。 僕のワンルームには最高で13名の男女がなだれ込んでいた。 僕は大学時代、自宅ワンルームで一人で眠る事がほとんどできなかった。 いつも終電を逃した男女で溢れかえっていた。 勝手に僕の冷蔵庫を空けるんじゃねえ。 ビールが一本も残ってないじゃないか。 知らない女の子が僕のベッドを占拠している。
僕は遊び好きの女子学生をオルグし、定員数名の女子寮を占拠した。 かつて住んでいた活動家の女子学生には退寮してもらい、遊び好きの女子学生をそこに集結させた。 男子禁制の女子寮に、僕は出入り自由になった。 お金がなくなったら、女子寮に行けばいい。 誰か遊んでくれる。
その女子寮は元活動家の拠点なので、「三里塚空港を殲滅せよ」といった手書きのポスターが貼られていた。 僕は、これはある意味で貴重だ、と思ったのでそれはそのままにしておいた。
その女子寮、革命の拠点は遊び人の砦となった。 僕にとっての革命は、体制に対する反抗ではなかった。 左翼活動家に対して、「バ〜カ」と言ってやることだった。 革命は、体制に石を投げる事じゃないんだよ、「朝まで踊り続ける権利を獲得すること」なんだよ。 革命を起こす人間が、貧乏で、虐げられていて、搾取されていなくてはならない、という必然性はない。 「朝まで踊り続ける権利を獲得すること」のために戦って何が悪い? 学生時代の僕にとっては、学費が値上げされることよりも、盛り上がっている最中に終電のせいで、女の子たちが帰ってしまうことのほうがずっと重要な問題だった。
韓国や中国のデモに対するニュースを見ていて、こいつらは本気で日本が憎いのだろうか?と思う。 いくら徹底した反日教育を受けているからといって、本気で日本を敵国だと信じているのだろうか? 僕は、面白そうだったから石を投げてみました、「祭り」に参加してみました、という事なのではないのか?という疑念を持つ。 僕は、思想信条に関係なく面白そうなデモが起これば、参加するだろう。 「祭り」だから。 いつだって「祭り」は楽しい。
天安門事件の際、僕はテレビ観戦だけだとつまらないので、中国人に化けて天安門広場に行こうと思った。 銃で撃たれても、ネタとして面白いので、行ってやろう、と思っていた。 現実には、仕事のスケジュール上、行けなかったのだけれど。
中国や韓国の日本に対するデモはどこまで本気なのかなあ、と思う。 日本とは体制の異なる国での出来事なので、本気なのかもしれない。 僕だったら、「祭り」として面白がって、日本大使館に向けて石を投げているに違いない。 いいなあ、攻撃対象の敵がいて。 思想信条に関係なく「祭り」は楽しいだろう。
中国も韓国も本気で日本が嫌いなのかな? 僕にとって日本は、敵国扱いしようにも、何の思想統制も取れていないただの「土地」なんですけど。 中国人や韓国人が本気で日本に対して攻撃をしているつもりなのであれば、「暖簾に腕押し」ですよ、と教えてあげたほうがいい。 「遺憾です」「遺憾に思う」「遺憾の意を表明します」。
僕が今、中国に住んでいたとしたら、中国人に混じって、日本大使館に向けて石を投げていただろう、と思う。 日本大使館に投石する中国人たちは笑顔に満ちている。 憎しみや怒りの表情は見てとれない。 とても楽しそうだ。 だって、それは「祭り」だから。
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