斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2004年07月19日(月) |
年収が増えれば増えるほどムカツキ感が増えるだけ |
電通がまとめた「日本人の金銭感覚調査」によると」、経済的にゆとりが生まれる最低限の年収希望額の平均は967万円らしい。 確かに、現実的にはこんなものかな、と僕も思う。
僕も、年収が1、000万円を超えるか超えないか、といった頃が最も「金持ち感」が強かった。 それ以上になると、独身でかつ貧乏人体質の僕にとっては、もはやお金の使い途はないし、税金や社会保険料ばかりが増えていって、年収は増えても手取りはそれほど増えないので、ただただムカツキ感が増幅するだけである。
僕の年代だと多くは既婚者で幼児の子供がいたりするので、お金がかかかるのかも知れないけれど、僕は独身だ。 独身だと、各種の控除も受けられないので、税金も社会保険料も増える一方。
今年、僕は初めて、確定申告を自分で行なった。 年収が2千万円を超えた、というワケではなく、会社から株の割り当てがあり、給与引き落としで税金を払えず、自分で確定申告する必要があったからだ。
確定申告時に税額を計算してみると、40万円以上を追加納税をしなければならない、という結果になった。 これだけ毎月多額の税金を納めていて、まだ、持っていくのかよっ!
ムカついた僕はレーシックの手術を受けた際の領収書を使って、医療費控除を申請した。 レーシックは病気じゃないので、医療費控除が受けられるかどうかは実は微妙なところ。 レーシックを医療費控除にして再計算してみると、追加納税は20万円少々で済む計算になった。 50万円のレーシック手術を医療費控除にして確定申告すれば、20万円が返ってくる事になる。
僕は確定申告の最終日の混雑する税務署に向かい、どさくさに紛れて、医療費控除の領収書をつけて、確定申告を行い、まんまと20万円の節税に成功した。 ザマミロ。
と、思いきや、最近、所得税の予定納税をせよ、との封書が届いた。 クルマとバイクの自動車税、自宅マンションの固定資産税を払ったばかりなのに・・・。
この国はどこまで、僕から搾取したら気が済むんだよっ!
独身サラリーマンがヘラヘラと遊んで、好きなモノを買って、楽しく生活できるための適正年収は、800万円もあれば充分だろうと思う。 900万円を超えると、金持ち感が高まり、無駄遣いに走り始める。 そして、1.000万円を超えたあたりからは、今度は税金、社会保険等での搾取感が強まっていき、ムカツクだけである。
僕の場合は、お金が無くても生きていける体質なので、年収が増えていくことはただ単に数字が増えていくことでしかなく、ムカツキ感だけが増えていく。
僕は、これ以上、税金を払うのが嫌なので、ビールは飲まず、税率の低い発泡酒を飲んでいた。 最近は、発泡酒の税率が上がったので、「その他雑酒」に分類されるサッポロのドラフトワンを飲んでいる(ビンボ臭いと言うな、税制に対するささやかな抵抗である)。
僕は、今まで日本は「世界で唯一の成功した社会主義国家」だと思っていたので、税金、社会保険をたくさん払う事は、まあ、一種の所得の再配分だと、自分を強引に納得させてきた。 逆に言えば、稼いでも意味なし、ということになるのだけれど。
日本の社会保障制度には年金問題をはじめ、僕の将来は何ら安心して生きていける保障はない。 僕としては、稼げるうちに稼いでおいて、将来、自分が路頭に迷った時に備えざるを得ない。 自分の将来の備えは自分でやるしかない。 親にも遺産は一切いらないから、生きている間に贅沢して遊んで全部使い尽くしてくれ、と言ってある。
カネなんぞいらんっ!、と言いつつ、将来を考えるとカネは必要。 今の僕の生活スタイルでは、カネなんてあってもほとんど意味なし、なのだけれど、将来に対する不安は大きい。 僕は、日本の社会保障制度を全く信用していない。
税金、社会保険をたくさん払った人間に対しては将来の社会保障も厚くしてくれる、とか、高速道路はタダ、とか、消費税免除とか、選挙で10票分投票できる、等の優遇措置でもあれば、税金、社会保険も喜んで支払うのだけれど。 所得税を多く支払っている高額納税者の消費税を免除にすれば、無駄遣いも増えて、景気回復効果もあるかも知れない。 「中途半端な社会主義国家日本」は、低額所得者に優しく、高額所得者に厳しい。
日本は今のような中途半端な社会主義制度を徹底的な社会主義制度にするか、勝ち負けのハッキリする本当の資本主義国家にならなければならない。
世間では、勝ち負けのハッキリした時代が来る、とか何とか言っているけれど、経費による控除が全く認められないサラリーマンである僕にとって、この異常な累進課税制度がある限り、「勝ち」は存在しない。 たくさん稼いだって、搾取感が強まるだけだ。 「負け」か「大負け」しかない。 しょせんは中途半端な社会主義国家日本。
この調査でも「年収が1、500万円を超えると、年収希望額が実際の年収よりも下がる」、という結果が出ている。 その通りだ。 年収が低い人は年収1、500万円に憧れるかも知れないが、実際に年収が1、500万円を超えた人間にとってはムカツキ感があるだけなのだ。 この国でサラリーマンを続ける限り、「勝ち」はない。 年収が1、500万円を超える人たちは、これ以上稼いでもしかたがない、すなわちもはや「これ以上、やる気なし」なのだ。 日本の社会主義制度は、たぶん有能な人が多いであろう高収入の人間のやる気を削いでいる。
僕は、独身サラリーマンにとっては年収800万円〜900万円くらいが一番の「勝ち組み」だと思う。 既婚世帯だと、夫婦合わせた世帯年収で1、000万円〜1、200万円くらいか。
この調査では、「世帯年収1、500万円が経済的に満足と感じる水準」となっているが、実際には年収が1、500万円を超えると、ムカツキ感が爆増するだけ。
そういった意味で、この調査結果はかなり正しい、と思う。
■電通調査 経済的ゆとりは年収967万円 悲しいかな100万−200万円足りず http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040718-00000013-san-bus_all
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