斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2003年05月07日(水) |
個人情報保護法に反対するマスコミは当事者であることを認識して報道すべき |
個人情報保護法にマスコミが一斉に猛反対している。 何かと欠陥もある法案なので、ある程度の反対はしかたがない。 確かに拡大解釈をすれば鬱陶しい法律案である。 個人情報保護を名目に何でもかんでも適用されたらたまったもんじゃない。 なので、僕は総論賛成、各論反対の立場だ。
僕が問題だと思うのは、個人情報保護法に対する報道姿勢である。 個人情報保護法の是非に関して書くつもりはない。 個人情報保護法に対するマスコミの報道姿勢は明らかにおかしい。 なぜなら、マスコミは自分自身がこの法案の当事者だからだ。 マスコミは自分達が当事者である個人情報保護法に対し、自分達がメディアを持っているという「特権」を利用してキャンペーンを張っている。
この個人情報保護法に関する一連の報道はフェアではない。
しばらく前、新聞社が再販制度反対のキャンペーンを張っていたときも同じだった。 再販制度維持を訴える新聞社の報道は正直言って、偏向していた。 自分達の権益を守るため、自分達のメディアを利用してキャンペーンを張っていた。
僕はそもそもマスコミや報道が不偏不党だとか、公正だとか、そんな事は全く信じていないし、期待もしていない。 完全に公正な報道など、存在し得ない。 客観報道などあり得ない。 マスコミ報道は公正であるなどという幻想を抱くほうがアホである。
だけど、個人情報保護法はマスコミ、特に出版社は当事者なのだ。 当事者が自分達の権益を守るために、自分のメディアを利用している、と見られてもしかたがない。 マスコミの報道を支持せよ、といわれても当事者の主張をそのまま信じよ、というほうが難しい。 たとえ、報道やマスコミの意見が公正で正しいものであっても、当事者が特定の立場から意見しているのであって、第三者が客観的な立場から意見しているのではない、と見るべきだ。
僕はマスコミが個人情報保護法に対して、攻撃的な態度やセンセーショナルな報道をすればするほど、インチキくさく感じる。 個人情報保護法に対する反対報道をヒステリックに報道しているマスコミを見ていると、コイツらは規制したほうがいいんじゃないの?という気にもなる。 報道機関やメディアがどんなにクソ野郎であっても、報道の自由は守られるべきだけれど、墓穴を掘るなよ、とは思う。
国民にはマスコミを経由してしか情報は伝わらない。 しかも、ノーテンキな国民はマスコミ報道は全て正しい、と信じ込んでいる。 報道機関、マスコミは自分達が「権力」であるということをキチンと認識すべきだ。 自分達が当事者である問題に対して、大袈裟に騒げば騒ぐほど、マスコミの権威はインチキくさくなるだけだ。
■個人情報の保護に関する法律案 http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/hourituan/ ■これは政府・自民党の陰謀だ!! 「個人情報保護法」のデタラメ http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2003_04_16_2/content.html
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