自立日記
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「今日はすぐに帰らないといけないんだ。1時間くらいかな。」 俺は何も言ってないのに、それを何回も繰り返す。 友達と会う約束をしてるからだそうだ。 別に今日のこの日に、いつでも会える友達と約束しなくてもいいのに…… まぁ、俺に期待させないための嘘かもしれないけど。
そば屋で食事。N子はそばにハマッてるっていうから。 俺へおごってくれるんだから、俺に決めさせてくれりゃあいいのに……。 でも胃が悪いんだから、しょうがない。
向かい合わせで座る。N子はコートの下は、白のシャツに、ピンクの半袖のカーディガンを来ていた。 耳にはピアス。俺が嫌いなピアス。 ピアスについては機会があったらまた書こう。
N子は仕事のこととか、俺の仕事のこととかを話す。 俺は自分からは話さない。話せない。 「なんか話してよ。」 「俺の話なんていいよ。」
何を話していいかわからない。
「そうだN子、俺と別れてから、付き合ったことあるの?」 「……うん。」 「えっ……そうなんだ……」(かなりショック) 「……」 「何人と?1人?」 「……言わないとダメ?」 「うん」 「3人……」 「!!????」
……それからも普通に話をしたと思うけど、 頭が真っ白に、いや真っ黒になった。 あまり気にしないようにしたけど、 あまりよく考えないようにしようとしたけど、
「ど、どうやって知り合ったの?」 「友達の紹介で。neoも友達から彼女を紹介してもらいなよ。」 「へぇ……。俺は友達居ないし……」
…… …… …… 3人?
俺とはじめて付き合って、3年続いたのに、その後2年で3人?
…… ていうか、付き合っていたんだ……
N子は、俺だけのN子ではなくなってしまっていたんだ…… 俺の理想像は崩壊した。
N子は、俺だけを知っていて、 俺もN子だけを知っていて、 N子は俺だけと寝て、 結局のところ、N子は、俺と結ばれて、 そういう、清い運命が待っているのかな……とか思ってた。 もちろんそれは付き合っていた時のころから、感じていた。 別れてからも、誰かと付き合っていたなんて聞いてないから、 俺にとってのその神話は継続していた。
神話はこの時崩れた。 ミシミシとヒビが入っていく。
そうか…… もう手遅れだったか。
さすがに、寝たかどうかは聞けなかった。聞いたところで教えてくれないだろうけど。
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