自立日記
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2004年02月15日(日) 崩れていた神話

「今日はすぐに帰らないといけないんだ。1時間くらいかな。」
俺は何も言ってないのに、それを何回も繰り返す。
友達と会う約束をしてるからだそうだ。
別に今日のこの日に、いつでも会える友達と約束しなくてもいいのに……
まぁ、俺に期待させないための嘘かもしれないけど。

そば屋で食事。N子はそばにハマッてるっていうから。
俺へおごってくれるんだから、俺に決めさせてくれりゃあいいのに……。
でも胃が悪いんだから、しょうがない。

向かい合わせで座る。N子はコートの下は、白のシャツに、ピンクの半袖のカーディガンを来ていた。
耳にはピアス。俺が嫌いなピアス。
ピアスについては機会があったらまた書こう。

N子は仕事のこととか、俺の仕事のこととかを話す。
俺は自分からは話さない。話せない。
「なんか話してよ。」
「俺の話なんていいよ。」

何を話していいかわからない。

「そうだN子、俺と別れてから、付き合ったことあるの?」
「……うん。」
「えっ……そうなんだ……」(かなりショック)
「……」
「何人と?1人?」
「……言わないとダメ?」
「うん」
「3人……」
「!!????」

……それからも普通に話をしたと思うけど、
頭が真っ白に、いや真っ黒になった。
あまり気にしないようにしたけど、
あまりよく考えないようにしようとしたけど、

「ど、どうやって知り合ったの?」
「友達の紹介で。neoも友達から彼女を紹介してもらいなよ。」
「へぇ……。俺は友達居ないし……」

……
……
……
3人?

俺とはじめて付き合って、3年続いたのに、その後2年で3人?

……
ていうか、付き合っていたんだ……

N子は、俺だけのN子ではなくなってしまっていたんだ……
俺の理想像は崩壊した。


N子は、俺だけを知っていて、
俺もN子だけを知っていて、
N子は俺だけと寝て、
結局のところ、N子は、俺と結ばれて、
そういう、清い運命が待っているのかな……とか思ってた。
もちろんそれは付き合っていた時のころから、感じていた。
別れてからも、誰かと付き合っていたなんて聞いてないから、
俺にとってのその神話は継続していた。

神話はこの時崩れた。
ミシミシとヒビが入っていく。


そうか……
もう手遅れだったか。

さすがに、寝たかどうかは聞けなかった。聞いたところで教えてくれないだろうけど。


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