ふと、天井をみあげるとくもの巣にほこりがからまっている。 洗濯物のゆき場をうしなったものが、いすの上にある。 黒の服もかたづけてない、、、、 ふぅ〜、ため息ものだ。 昨日も半日寝ていたし、今朝もついうとうとしてしまった。
すこし風邪気味のようだ、この暑さは一体いつまで続くのだろう。
と、午後になって急に裏庭の草むしりをした。 なつくさの生い茂る速さは行く夏に種を残さんばかりの勢いでそれさえ生存へのあくなき意志のように思えてしまった。 バッタが2,3飛び出してきた。お家を奪ってゴメンね。
この前より、根が強く張っている、すごい生命力だと感心してしまう。 2時間あまり夢中で草と格闘していたが素人菜園の方まで手が回らなかった。たった1、2週間ほどでこんな草むらと化してしまったのか、、、
日常が日常ならざるものになると、かつて日常と思われていたものが馴染み薄いものになってしまって妙な戸惑いをおぼえる。
いつも、午後はのんびり過ごしていた。どうでもいいようなことをぼんやり考えたり、本を読んだりして夕食のしたくをする時間までま〜ったり過ごしていたんだ。忙しいなんてことはあまりなかった。
むしろ、忙しくなく生活していたんだなとも思う。あれしなきゃ、これしなきゃというのがたまらなくイヤで。なのに、つい指先が痛くなるまで草をむしっていたのも、考え事をしたくなかったからだ。
そのくせ、”父は夏はほとんど戸外にいて広い庭をそれこそ一本の雑草もないくらいに手をいれて、一体何を考えながら草むしりをしていたんだろう”などとまた考えてしまっていた。
フルサトハ アトカタモナイ ホウタル
もう、こどものころ過ごしたところ(心のふるさとのようなトコロという意味で)はなくなってしまった。
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