久しぶりに。スニーカーを履いた。 別にそこに。たいした理由はない。 少し重い荷物を運ばなければならなくて。 ヒールの靴を履いてるとしんどいかなと思って。 学生時代に履き慣らしたスニーカーを手にとって履いた。
なんだか。すごく足元が軽くなった。
重たい荷物を持っているのに。 いつもよりずっとスムーズに歩けた。 地面に足がちゃんとつく感じは。しばらく忘れていたような感覚で。 なんだか嬉しくなって。無意味に走ってみた。
そうか。あたしはこんなふうだったな。
最近ずっと履いてるようなヒール靴じゃなくて。 ぺたんこのスニーカーを履いてるコだった。 キレイに歩く大人の女じゃなくていいと思ってた。 ただ必死に大好きな人を追いかけるコでよかった。
グレーのコンバースは。そんなあたしを覚えてる。 背伸びしなくていいよ。自然体でいきなよ。 久々に足を入れたあたしに。教えてくれたような気がした。
ねぇそうる。たまたま履いたスニーカーひとつで。 なんかいろんなことが懐かしくなっちゃったよ。 歩くのがすごく楽チンやった。 どこまでも行けるような気さえした。
別にヒールの靴が悪いって言ってるんじゃないけど。 こんなふうに。たまにはスニーカー履いて。 足取り軽く。楽しく歩くのもいいな。そう思った。
ねぇそうる。今スニーカーを履いてあんたの横に並んだら。 当たり前やけど。あの頃と同じ身長差になるんやろうね。 今とはちょっと違う。あの頃の感覚を思い出す。 たった数センチ違うだけやけど。なんかそれがすごく愛しく思える。
ねぇそうる。あたしはあんたと2人。 同じようにスニーカー履いて。 同じ方向を向いて。一緒に歩きたい。 飾りすぎず。気取りすぎず。自然体で。 あんたの隣にずっと笑っていたい。
ねぇそうる。ええよね。 ↑あたしを愛してくれるあの人を。まっすぐ信じよう。 |