あたしってほんまに分かりやすい。呆れるくらいに分かりやすい。 久しぶりにそうるに会えるってだけで。目覚めは最高やったし。 ごはんもおいしい気がしたし。体も軽い気がしたし。 そんな自分を鏡で見て。あぁいい顔してるなぁとか思ったりして。 ほんま笑ってまうくらいに。朝から調子がよかった。
今日は朝から夕方まで1日練習やったんやけど。 そうるは。昼から参加するってことを昨日メールで言ってた。 そんなわけで。とりあえず午前中はそうるはおらんかったんやけど。 昼から会えるってことを思っただけで。練習もいつも以上に楽しかった。 調子に乗って。普段はあんまりやらん難しいプレーもやってみたりして。 そしたらこれが大成功したりして。ほんまいいことずくめで笑えた。
気持ちがプラス方向を向いてるときって。ほんまにうまくいくもんなんやな。 思わぬところで好プレーを連発できて。そんなふうに思えた。 「物事はすべて自分の考え方次第。」そうるがあたしに言った言葉。 あれはやっぱり正しいんやなって。そう思ってはまたひとりでにんまりしてた。
昼休憩で。みんなで弁当を食べながらしゃべりつつ。 あたしの耳は。バイクの音をずっと探してた。 大好きなエンジン音。早く聞こえてこーへんかな。 そう思いながら。いつも通りにまひろやはつねと話してたら。
あたしの気持ちを高ぶらせるあの音が。聞こえてきた。 そして。大好きな人の姿が。あたしの視界にちゃんと入ってきた。
「おー。やっと来たかー。」「遅いでー。てゆーか久しぶりー。」 そう言って。まひろもはつねもそうるの方を見た。 「・・・おいっす。」久しぶりに来て。しかも途中参加のそうるは。 ちょっと申し訳なさそうに。そしてちょっと照れたように。首をすくめて笑った。
あぁ・・・そうるやー。 何も変わってへん。大好きな笑顔や。 もっと疲れてるかと思ったけど。でも元気そうや。 よかった。そうるが笑ってる。ちゃんと生きてる。よかった。
まひろとちょっと話して。はつねにも話しかけて。 最後にそうるは。あたしのとこに来た。 あたしの首を後ろから手で掴んで。あたしが首をすくめると笑った。 そんなどうでもいいような笑いも。あたしを幸せにした。
「おっすー。」「はいどーも。」そんな言葉をちょっと交わして。 目と目を合わせて笑ったら。もうそれだけでよかった。 あんなにいろいろへこんで。寂しくて。泣いてたくせに。 そこにそうるがおったら。もう全部忘れてもた。
あたしって幸せなカラダにできてるな。 そう思って。またちょっとにやけた。
久しぶりの練習ってこともあって。そうるは珍しくアップから息が上がってた。 午前中は涼しかったけど。午後からはかなり暑くなってたし。 「やばいなー。これは絶対もたへん。」って言って。けっこう苦しそうやった。
でもでも。いざ練習が始まると。そうるはほんまに嬉しそうやった。 練習に来れてへん間も。サークルの掲示板にたまに現れては。 「練習行きたい!走りたい!」そんなカキコを残してたし。 そうるの体は。ほんまに動きたくてしょーがなかったんやと思う。
でも久しぶりってことで。基礎力が落ちぎみで。 「あー!やばい!またミスった!」「ありえへんー!(涙)」 そんなそうるの声は。いっぱいいっぱい聞こえてきた。 そうるがまひろに出したパスが。思いっきり変な方向に逸れたときとか。 「それは取れんしー!」って言うまひろに。 「ぎゃー!まじごめん!(涙)」ってへこんでたりして。 なんてゆーか。もうほんまにかわいかった。
ここしばらく会えんかったそうるを。あたしはずっと目で追ってた。 やばいくらいに。そうるに意識のほとんどが向いてた。 真っ先にグランドに向かう背中。真剣にボールを追ってる横顔。 後輩に指導してるときの熱い目。ソフトドリンクを飲み干す口元。 もうあほみたいに。それこそ初めて恋を知った女のコみたいに。 1から10までそうるばっかり見てた。どんなに見てても飽きんかった。
そんなそうるは。あたしの気持ちを知ってか知らずか。 かなり涙ものの演出を。ひとつやってくれた。
「しんどいー。もう限界。1日練習はマジきつい。」 「うちは意外と元気。思ってたより平気。」 「だってあんたは昼から参加やん。そりゃ元気やろ。」 「まぁそうやけど。あーまだまだ余裕で走れそうな感じ。」
それは。練習の最後の方のメニューの前。 バテバテになってるあたしと。まだまだ元気なそうるは。 グランドの端っこに座って。水分補給しながらしゃべってた。
「ええやん。走りまくりーや。見たい見たい(笑)。」 「うーん。じゃあほんまにやったろっかな。爆走・・・。」 「・・・おぉ。言ったな。言ったからには成し遂げてや(笑)。」 「ええよ。やったるわ。その代わりちゃんと見ときや。」
強気なそうるは。いつ見ても気持ちいい。 自信に溢れてて。気合いとか入りまくりで。 この人なら絶対にやるって思わせるような。そんなオーラを放ってる。
一緒にグランドに入る。そうるはアタック。あたしはディフェンス。 プレー開始直後。宣言どおりに。そうるはボールを奪うと爆走した。 あたしは必死で食らいついて止めようとするものの。一瞬見とれる。 あたしの横を走っていくそうる。その瞳に。目がくぎづけになる。
1人抜き、2人抜き、3人抜き、・・・結局5人抜いてシュートを打って。 あざやかにゴールネットを揺らして。そうるは駆け抜けていった。
歓声が生まれる。そうるはしてやったりで笑ってる。 あたしは。負けて悔しいのに。やばいくらいに嬉しかった。
有言実行。言ったら成し遂げる。さすがはそうるやなって思った。 そしてそれは。あたしにだけ約束されたことで。 誰も知らんところで。ひっそりと交わされた約束で。 なんかもう。あたしのためにやってくれたようなプレーに思えた。
いや。これは調子に乗りすぎの解釈かもしれんけど。 ただ単に。そうるが走りたかっただけかもしれんけど。 でも。「やったるわ。」とか「見ときや。」とか言われたし。 なんかちょっと。何物にも変え難いプレゼントをもらったような気持ちで。 もう胸いっぱいで。幸せで。泣きそうやった。
そうるは。遠いところからあたしを振り返って。 得意げに笑って。顔の前でちっちゃくVサインをしてみせる。 そんなそうるに。あたしはやられまくって。拍手してみせる。 (「見たか。やってやったで。」「見ました。お見事です(苦笑)。」) そんな無言のやりとりで。あたしは最高に幸せやった。
ねぇそうる。あんたに会えた今日は。ほんまに楽しかった。 また明日からがんばろうって気持ちが。素直に湧いてきた。 あんたのちっちゃなしぐさとか。どうでもいいような言葉とか。 そーゆうのひとつひとつを。あたしは大事に拾って。 あっためて。あっためて。あたしだけの宝物にする。 そーゆうダイヤモンドの原石みたいなものを。今日またいっぱい見つけられた。
今日あんたがやらかしたプレー。ほんまかっちょよかったで。 あんたはいつか忘れるやろうけど。あたしはきっと忘れへん。 「やったるわ。」「見ときや。」そんな強気な言葉も。 実際に成し遂げた姿も。得意げな笑顔も。 あたしの中に。きっとずっと残るやろうと思う。 ちょっと(いやかなり)悔しいけどね。でもそう思う。
ねぇそうる。しばらくぶりに会えたあんたは。 何ひとつ変わらんままで。あたしの大好きなあんたやった。 筋肉質な腕と脚。ちっとも白くならん肌。長いまつ毛。キレイな瞳。 全部全部。あたしが愛してるあんたやった。 それだけのことに安心して。なんかすごい満たされた。
急いで研究室に戻らなあかんくて。反省もそこそこに帰る支度をして。 「ごめんな。また連絡するわ。」そう言って帰っていくあんたを見て。 寂しい気持ちも生まれたけど。でもそれ以上にあったかい気持ちが溢れた。
だってそうるは元気やった。今日もちゃんと笑ってた。 あたしにも笑いかけてくれた。予想外のプレゼントもくれた。 こんなに嬉しいのに。寂しいなんて言ってたらバチが当たる(苦笑)。
そうる。ありがとう。うまく言えんけど。ありがとうね。 あたしもいろいろがんばるからさ。あんたもがんばってね。
↑あたしは絶対前の方がええなーと思った。言ってへんけど(笑)。
*追加*
日記を書き始めて。ちょうど1年経ちました。 思ってることをただ書いてるだけのあたしの日記を。 たくさんの人が読んでくれて。共感してくれて。 メールをくれたり。BBSにカキコしてくれたりしました。
あたしはただ。自分が大切にしてる気持ちを残したいだけで。 それだけのために書いてたのに。気づくとたくさんの人と知り合ってました。 そんなひとつひとつの出会いに。改めて感謝の気持ちでいっぱいです。 ほんまにほんまにありがとうございます。
最近また忙しくなってきたので。更新が滞るかもしれませんが。 (そう言いつつ普通に書いてる可能性も大ですが(苦笑)。) これからも。あたしたちを見守っていただけると嬉しいです。
・・・なんか固くなっちゃいましたが(苦笑)。これからもどうぞよろしくです☆ |