今日は。体調を崩したこともあって。あたしはナイターを休んだ。 行くかどうかちょっと迷ったけど。無理はせんとこうと思った。
正直言うと。そうるがおらん練習に。ちょっと寂しさを感じたのもあった。 もちろん自分がプレーするのが楽しいし。それが最優先なんやけど。 練習の楽しみのひとつに。そうるのプレーを見られるってのは確実に入ってる。 それが得られんとなると。やっぱりどうしたって寂しい。
家でゆっくりしてたら。9時過ぎにそうるから電話があった。 研究室からかけてきてるみたいで。後ろがざわついてた。 いきなりでびっくりしたら。サークル関係の用事やった。 そのことでちょっと話した後で。そうるは切り出す。
「ところで。体はもう大丈夫なん?」
あたしは思わず。ちょっと笑いそうになって堪えた。 だって。「ところで」って言葉がわざとらしく聞こえてもたから。 用事にしたって。メールで済みそうな程度のものやったのに。 それを電話してくるってとこで。やっぱりちょっと不自然(苦笑)。
優しいね。そうる。なんだかんだで心配してくれてるんや。 用事のついでかもしれんけど。声を聞こうって思ってくれたんや。 うぬぼれかもしれんけど。調子に乗りすぎかもしれんけど。 でもあたしにはそう思えて。なんか幸せやった。
「大丈夫やで。1日休んだら回復してきた。」 「そっか。ほなちょっと走りに行かへん?」 「え・・・?今から?」 「そう。2人して練習休んどいて最低やけどな(苦笑)。」
予想もしてなかったそうるの言葉に。あたしは浮かれる。 「行くー!」って答えたあたしに。そうるは電話の向こうで笑う。 「ほな迎えに行くわ。あったかくしときな。」って言って。電話を切る。
そこから10分。そうるがやってくるまで。 あたしはたぶん。ひたすらにやにやしてたと思う。 久しぶりに乗れるバイクを思って。抱き締められる背中を思って。 やばいくらいに気持ちが高ぶって。どうしようもなかった。
バイクの音が聞こえて。階段を駆け下りた。 「おいっす。」って言うそうるは。やっぱりかっちょよかった。 新しいバイクにも。もうだいぶ馴染んできてる感じがしたけど。 それでもやっぱり。赤いバイクに跨るそうるは新鮮に映った。
「どこ行く?普通に走る?」って聞いたら。 「実はいいとこ見つけちゃったんだなー。」って言われた。 「え?なになに?どこ?」って聞き返したら。 「それは着いてからのお楽しみー。」って言われた。
なんやろう。どこに連れて行ってくれるんやろう。 そう思うと。バイクに乗りながらワクワクしまくりやったけど。 でもあたしは。ほんまは目的地はどこでもよかった。 そうると一緒にいられることだけで。もうしっかり満たされてた。
一緒にバイクに乗って。そうるの背中の体温をちゃんと感じて。 あーなんでこんなにもそうるの体は。あたしの鼻をくすぐる匂いなんやろう。 あーなんでこんなにもあたしの腕は。そうるの腰にうまく絡むんやろう。 そんなことをどこまでも考えてるだけで。あたしは十分やった。
ねぇそうる。あんたが絡んでくるとあたしにとっては。 結果は二の次なんかもしれんなって。ちょっと思ってみたりした。
例えば。あんたからプレゼントとかをもらうとするやん。 どうせもらうなら。そりゃあたし好みのものがええけど。 でもその内容よりも。あたしはあんたの気持ちが嬉しいねん。 どんなものが好きやろなぁとか。こんなものが似合うかなぁとか。 そーいやあんなものが欲しいって言ってたよなぁとか。 そんなふうに。あたしのことを考えてくれる気持ちが嬉しいねん。
今日にしたって。あんたはそうやったんやろ。 いいとこを見つけて。あーこれはあたしに見せたいなぁって思ってくれたんやろ。 そんなふうに。あたしのことを思いやってくれた気持ちが嬉しいねん。 あたしに何かしたいとか。何か見せたいとか。何か伝えたいとか。 そーゆうふうにあんたが考えてくれることが。あたしにとっては1番嬉しいことやねん。
要するに。連れて行ってくれたとこがどんな場所やったとしても。 あたしは。あんたが誘ってくれた段階で。もう8割満足なんよね。
ねぇそうる。分かるかなぁ。あんたもそーゆう気持ちになったりせーへんかなぁ。
↑さすがそうるやと思った。そしてやっぱりずるいと思った(苦笑)。
長くなっちゃったので。続きはまた明日。 |