今日でようやく。ひとつ実習の区切りがついた。 あぁ。二週間やけど長かった・・・(涙)。
今回あたしが行ってたのは母性科。 妊婦さんが入院してきて。赤ちゃんを産む場所。 実習を終えて思うことは。今までで1番楽しかったってことかな。
体調崩したし。身体的にはけっこうきつかったけど。 これまでの内科とか外科とかに比べたら。母性科は楽しかった。 病気の患者さんと接するのとはまた違ってて。 お産を終えた褥婦さんと関わる経験は新鮮やった。
何より。分娩見学をできたのが1番大きかった気がする。
生命の誕生の瞬間。人間が生み出される瞬間。 母親の体から出てくる赤ちゃんを。あたしはこの目で見た。 この世で最初に放つ泣き声を。あたしはこの耳で聞いた。 心が震えた。胸が熱くなった。泣きそうやった。
陣痛に苦しみながら。必死に耐えながら。 顔をしかめて。もがいて。叫んでた産婦さんが。 わが子の誕生の瞬間に見せた顔が忘れられん。 世界で1番愛しいものを見るような目で。赤ちゃんを見て。 笑顔が零れて。涙も零れて。くしゃくしゃの顔になって。
あぁ・・・。思い出しただけで涙が出そうになる。
人はこんなふうにして生まれてくるんや。 たくさんの人の力を借りて。母親の底力を借りて。 大事に大事に思われて生まれてくるんや。
あたしもきっと。そうやって生まれてきたんや。 ままちゃんのおなかを痛めさせて。散々叫ばせて。苦しめて。 でもきっと最後には。あんなふうな笑顔にさせてたんやろう。
あぁ。なんで人は忘れてまうんやろうね。 生まれたときの記憶が。どうしてなくなるんやろうね。 あの愛の深さを覚えてたら。初めて見た世界の眩しさを覚えてたら。 きっとこの世から争いなんてなくなる。そんな気がする。
いろんなことを感じた分娩。その後は新生児のケア。 初めてまともに抱く赤ちゃんは。ほんまにかわいかった。 純粋で。無垢で。まだ何ひとつ醜いものを知らんくて。 そんな存在に触れられることが。ほんまに幸せやった。
ちっちゃな手の中に指を入れたら。きゅって握り返してくる。 ミルクをあげたら。こっちをじーっと見ながら飲む。 ふわふわの肌。あったかい体。つぶらな瞳。 もうほんまにほんまに。連れて帰りたいくらいやった。
実習中。あたしが体調を崩したのは。実は精神的なものもある。 そう。これは時々あたしが突然なるもので。もうどうしようもないこと。 考えたって仕方ないって分かってるけど。考えずにはおれんこと。
そうるとの将来を考えて。不安に襲われること。
思い返せば。2月の地域の実習のときもそうやった。 地域の保健センターで。3歳児健診を見学して。 いろんな先のことが不安になって。ちょっとおかしくなった。 (日記にも書いてました。こちらの日記です。)
そうるとずっと一緒にいたい。そう思う気持ちは間違いなく本物やのに。 あたしは赤ちゃんを産みたいし。子どもを育てたいと思ってる。 真っ白なウエディングドレスを着て。バージンロードを歩きたいと思ってる。
あたしは現実が全く見えてへん。 だってそのドレスを着たあたしの隣には。 黒のタキシードを着たかっちょいいそうるが立ってる。 分娩のときに。あたしのそばには。 ずっと手を握ってくれる優しいそうるがおる。
何ひとつ違和感なく。あたしの描く将来にそうるがおる。 本来なら。夫となるべき人がおるであろうその場所に。 オンナであるそうるがおる。あたしの頭の中では自然に溶け込んでる。
・・・そんな現実はありえへんのに。
赤ちゃんの世話を出来るのは幸せやったけど。 そんなことを考えてたら。正直ちょっときつかった。 そんな精神疲労と肉体疲労が重なって。倒れたんやと思う。
でもそんなときでも。そうるは何ひとつ変わらんかった。 あたしが変動しまくりでも。そうるはいつでも変わらへん。 あたしにはそれが救いでもあり。癒しでもあるんやけど。 ときに理解できんくて。イライラしたりもする。
そうるはこういうことって考えんのやろうか。 あたしみたいに。先のことを思って不安にならんのやろうか。 あたしがそうるに対して思ってるほどまでには。 そうるはあたしに執着してへんってことなんかな。 失ったら失ったで。それも仕方ないとか思ってるんかな。
穏やかで安定してるそうるはすごいと思うけど。 でも逆に。ほんまに何も考えてへんように見えることもあって。 たぶんあたしが考えすぎやからそう見えるんやろうけど。 でもなんか。わけもなくむかついたりもして。
そうるが悪いわけじゃないのに。
ねぇそうる。あんたは理解できんかもしれんけど。 あたしはいつだって。あんたを失う怖さに怯えてる。 あんたの愛情を手に入れたときから。ずっとそうやった。 もしかしたら。出会った頃からずっとそうかもしれん。
今手にしてる幸せが大きすぎて。あまりにも大切すぎて。 それを失った自分を考えることが怖いんよね。 失った自分なんてありえへんのやもん。 あんたの隣で笑ってるあたしでおられんのやったら。 生きてる意味がないようにすら思えてくるし。
あんたなしじゃ生きていけん。 そう思う自分が怖いけど。 でも。そう思える自分が幸せやとも思う。 だって。それだけ大切な存在を見つけられたってことやから。
失う怖さを覚えたのは。失いたくないものを得た幸せのせい。 ねぇそうる。分かるかなぁ。あたしのこーゆう気持ち。 ↑何にしよっかな。うーん・・・迷うなぁ。 |