***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2002年11月13日(水)何ひとつ失わない。

今日は。あたしたちの代での。最後のナイター練やった。
そのことには。もうずっと前から気づいてたけど。
考えると辛くなるから考えなかった。

あたしにとって1番大事な場所を失うことが。
何よりも辛くて。寂しくて。たまらなかった。
それぐらい。あたしにとっては。サークルは重要で。
ほとんどそれ一筋の3年間やった。

あたしの周りの人は。あたしがそう言うと。みんな同じことを言う。
「そういう夢中になれるものを持てたことに感謝しーや。」
「かけがえのない仲間を見つけられたことに感謝しーや。」
それは分かる。あたしも実際言葉になんかできんくらい感謝してる。
でも。感謝すれば辛くないかと言えば。絶対にそうじゃない。
むしろ。感謝しすぎるこの気持ちが。自分にとっても痛いくらいやのに。


今日の昼練で。みんなも今日が最後のナイターやってことに気づいてて。
「やばいな。」「ちょっと泣きそう。」「朝ひと泣きしてきた(苦笑)。」
そんなことを口々に言っては。ちょっとしんみりしてた。

そんなあたしたちを見て。そうるは言った。
「そーゆのは試合終わってから!」って。
「まだ終わったわけちゃうやん!」って。しきりに言ってた。
溜め息連発のあたしの頭を叩いて。またあたしの心を熱くさせた。

そういうそうるも。なんだかんだと言ってたけどね。
「今日でうちが仕切るの最後かー。」
「うち絶対声とかかけてまうんやろうなー。」
「「はい集合ー。」とか。「じゃメニュー言いまーす。」とか。」
「絶対言う自信あるもん。賭けてもええで(苦笑)。」

そうるにとって。キャプテンとしてのナイターは今日が最後。
そう。みんなをバシバシ仕切るそうるは。もう見られない。
いやいや。試合の日があるけど。金曜に朝練もあるけど。
それでも。ナイターの照明の中で。走り回るキャプテンそうるは。今日が最後。

あぁ。もうあたしはそれだけで。やばいくらいに泣けてくる。


ナイターになって。最後やなーって雰囲気がなんとなく生まれてて。
チームで1番泣き虫って言われてる子が。ふざけて空を仰いでみたりして。
「やっばいわー。軽く泣けてくるし。」って言うのを聞いて。みんなで笑った。
でもきっと。みんな我慢してただけで。簡単に泣けたんやろうと思う。
少なくともあたしは。そう言ってる彼女の横で。泣きそうなのを堪えてた。

いつもと何も変わらない練習が滞りなく進んで。
3時間の練習は。あっと言う間に終わりに近づく。
最後のメニューで。あたしはそうるの対面(トイメン)になる。
(対面→マークマンのこと。分かる・・・かな?)

そうるがアタックで。あたしがディフェンス。
久しぶりにそうるの対面になって。間近でそうるのプレーを見て。
そうるの名前を叫んで。そうるに名前を叫ばれて。
体をぶつけて。押して押されて。必死にボールを奪い合って。
あたしは。どうしようもないくらいに熱くなってた。

そんな夢中な時間も終わって。あたしの頭は冷静になってきて。
あぁ。もしかしたら。こうやってそうるの対面になって。
こんなにも熱くなることも。最後なんかなぁって思ったら。
また泣きそうになって。お腹に力をこめて。我慢した。


ナイターの後は。汗がひいてくるから寒くてしょーがない。
いつもみたいに。アタックとディフェンスに分かれて反省する中で。
みんないつもより小さな輪になって。体を寄せ合う。
あたしの隣はそうる。みんなで反省してる中で。こっそり手をつなぐ。
誰にも見つからないように。体の間に挟んで隠して。
そういうどうでもいいような小さなことも。いちいちあたしには響いて。
またじんわりきて。もうそろそろ限界やーと思ってた。

駐輪場で。そうると2人きりになる。
あたしは。自分の世界に入ってぼんやりしてた。
みんなと過ごした毎日が。走馬灯のように頭の中を巡る。
もう会えないわけじゃない。何もかもが終わるわけじゃない。
サークルだって。試合が終わっても。まだまだ参加するし。
ただの世代交代。それだけのことやのに。
あたしは。もう完全にすべてが終わってまうかってくらいに。
すべてを思い出して。それに浸ってた。

「・・・おい!」って呼ばれる声が聞こえて。我に返る。
振り返ると。呆れた顔のそうるがそこにいた。
「もー。ほんま。あんた今日ぼんやりしすぎ。」って。怒られる。
「んー。ごめん。なんかいろいろ考えてたらさ・・・。」
あたしはそこまで言って。黙り込む。
急にいろんなものが込み上げてきて。涙が溢れる。

そうるはまた。いつもみたいに鼻でフッて笑って。
「・・・泣きなや。」って言って。近づいてきて。あたしの頭を叩く。
あぁ・・・あかんのやって。それ。弱いんやって。あたし。
ポンポンって。あたしの頭を叩くそうるの手に。
もうどうにも止められんくなって。あたしは泣いた。

泣きながら。あたしはそうるに言った。
サークルでの日々は。あたしにとって。かけがえなくて愛しくてどうしようもなくて。
それを失うことが。我慢できんくらいに辛くて寂しくてたまらんのやって。
そうるだって同じ気持ちのはずやのに。こんなふうに泣いて甘えるなんて。
どこまでも幼い自分がイヤになったけど。涙はどうしても止められんかった。

そうるは。やっぱりいつもみたいに。
黙ってあたしの話を聞いてくれて。それから。言ってくれた。
「何を失うのん?得てきたもので何か失うのん?」
「何ひとつ失わへんやん。何も怖くないやん。」

これからが変わったとしても。今までがなくなるわけじゃない。
過ごしてきた日々とか。抱えてきた思いとか。
そういうのが。なくなってしまうわけじゃない。
それからもちろん。築いてきた仲間との絆とかも。
消えてなくなってしまうわけじゃない。
だから。大丈夫なんやでって。そうるは言いたかったんやろう。

不安でたまらんかった気持ちが。スーって軽くなっていくのが分かった。
そうるがそう言ったら。ほんまにそうやと思えてきた。
この手にしたものを。あたしは失うわけじゃないんや。
そう思ったら。不思議なくらい。あたしは楽になれた。


・・・あぁ。そうる。あんたはやっぱり。あたしには必要な人や。

あたしの気持ちを和らげてくれる言葉を。あんたはくれた。
たぶんあたしが1番欲しかった言葉を。あんたはあっさりとくれた。
怖がりで。泣き虫で。どうしようもないあたしが。
どんな言葉で救われるか。あんたはもう分かってくれてるんやね。

でもね。そうる。あたし後から思ってんけど。
あんたはもしかしたら。自分にも言い聞かせるつもりで。
あの言葉をくれたんとちゃうかな。
終わりが寂しいのは。あんただって同じはずやもん。

そうる。いつも自分のことでいっぱいいっぱいになってまうあたしでごめんね。
そして。いつだってそんなあたしのことを救ってくれて。ありがとうね。

最終戦まであと3日。もう涙は流さんようにするわ。
気合い入れ直して。がんばるわ。あたし。





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