今日。あたしは実習。そうるは大学サボり。 なんでサボったかと言うと。バイクの初心者講習のため(笑)。
いつも読んでくださってる方はご存知だと思いますが。 あたしの最愛の人。そうるは。バカがつくほどのバイク好き。 それだけならええけど。なんてゆーか。スピード狂で(涙)。 あたしを後ろに乗せてるときはそうでもないけど。 一人で乗ってるときは間違いなくぶっ飛ばしてるはず。 100キロは当然。120キロが気持ちいいとか言うし。 「あほちゃうかー!」って。そういう話を聞くたびに。あたしはキレてる(苦笑)。
そんな怖いもの知らずが。免停を喰らったのは1ヶ月ぐらい前かな。 (日記にありました。こちらの日記です。) それ以来そうるは。あんまりあたしをバイクの後ろに乗せてくれんくなった(涙)。 もしかしたら。そうるなりにへこんで。遠慮してくれたんかもしれんけど。 いくら寒くなってきたとはいえ。あたしとしては寂しすぎるわけで。 (乗りたい乗りたい!)って内心でずっと思ってた。
そんなわけで。あたしはひそかにそうるに言ってた。 「初心者講習が終わったら1回走りに行こうやー。」って。 「寒いで。ええのん?」って。そうるはあたしに聞いたけど。 「大丈夫。アホほど厚着するし。」って。あたしは譲らんかった。 「分かった。ほな気長に待っとき。」って。そうるは言った。
だからあたしは。気長に待ってたさ。 待っとけって言われたから。確かに待ってたさ。 でもさ。普通思わんやろ。初心者講習が終わって。 その日は乗れんからって。夜中の1時から走るとか。 「お待たせー。さぁ乗るでー。」って言いながら来るとか。 「おいおい・・・今からかよ!」って思うやん(笑)。
あぁそうる。あんたはほんまに。どこまでもつかめんヤツやわ。 普段はあんなにもクールでかっちょいいくせに。 こうやって。時々ネジが1本取れたみたいに壊れる。 まぁ・・・そういうとこが好きなんやけどね(爆)。
実際そうるは。0時過ぎにメールをくれた。 「明日大学休みやろ?久しぶりに走ろうやー。」って。 あたしは。突然の提案に驚いて。「今日かよ!」って思ったけど。 すぐに嬉しさでいっぱいになって。速攻でOKの返事をする。 予想してなかった突然のデート。あたしは幸せ。
セーター。ダウンのコート。マフラー。手袋。 オシャレとは程遠い。思いつく限りの厚着をして。そうるを待つ。 そうるの家からあたしのマンションまで。バイクで約20分。 メールから15分たったくらいで。あたしは待ちきれんくなって部屋を出て。 駐輪場で。膝を抱えてそうるのことを待つ。 聞き覚えのある愛しいバイクの音が聞こえてくるのを待つ。
やってきたそうるは。駐輪場にいたあたしに驚く。 「部屋で待っときやー。冷えるやん。」って。バイクを止めてあたしに駆け寄って。 頬に手を当ててくれる。でもそのそうるの手の方がずっと冷たい。 「あんたのんで冷えてるやん。」って。あたしもそうるの頬に手を当てる。 2人して。頬に手を当てあって。至近距離。 「なんかラブラブみたいやな。」って。あたしは笑って言う。 「・・・なんでやねん。」って。そうるは苦笑いして。 あたしの両手をつかんで。自分の顔から離して。バイクの方に向かって。 「早く行くでー。」って。エンジンを噴かした。
そうるってば。かわいいやん。照れてやんの(苦笑)。 あたしはひとりでにんまりして。そうるの後ろに跨る。
久しぶりにバイクに乗る。そうそう。ここがあたしの居場所。 そうるの背中に体をくっつけて。そうるの腰に腕を回す。そうそう。この感じ。 忘れかけてた懐かしい感覚が戻ってきて。全身があったかくなる。 吹き付ける風は冷たくて。息も出来んくなるくらいやのに。 あたしの内側から確かに。あったかい何かが生まれてる。
いつもの高速を走るそうるは。寒さを気にしてるのかしてないのか。 めちゃめちゃ楽しそうで。あたしまで楽しくさせる。 目に映る夜景。車のテールランプ。キラキラしてて。キレイ。 真夜中の遊園地みたいな。なんかそんな感じ。
途中でバイクを停めて。そうるはあたしに話しかける。 「今日さー。初心者講習。めんどかったー。」って。愚痴り始める。 「おじさんとかヤンキー系とかは分かるけど。おばさんとかもおったし。」 「そんな中にうちも混ざってるわけやけどさ(涙)。」 そう言って嘆くそうるは。なんかかわいかった。
「まぁええ薬になったんちゃうか。もう懲りたやろ。」あたしは言う。 「当たり前。もう絶対イヤやわ。あんなとこ。」そうるはそう言って肩をすくめる。 「ほんならよかったやん。」あたしはそうるの頭をポンポンって叩く。 「おう。これからは警察には気をつける。」そうるはそう言って。にやっと笑う。
「なんでやねん!そうじゃないやろ!」あたしは呆れて言う。 「いやいや。これからはうまく振り切るから(笑)。」そうるは笑いっぱなし。 はぁ・・・。あたしは純粋に。そうるが飛ばしすぎることを心配してんのにさ。 捕まらんかったらええと思って。まったく。あほそうる。
ねぇそうる。あんたと一緒にいられる空間は。 どこでもあたしには幸せやなぁって。今日改めて思ったわ。あたし。 夜の高速道路は寒すぎて。凍えそうやったけど。 あんたがそばにいる事実が。あたしを暖めてくれた。 抱き締めるあんたの背中が。あたしを溶かしてくれた。
久しぶりのバイクは。あたしを満たしてくれた。 体に伝わる振動も。そうる。あんたの体温も。あたしを癒してくれた。 震えた心のせいだけじゃないやろうけど。寒さのせいなんやろうけど。 あんたの後ろで。あたしは涙と鼻水が止まらんかったんよ。
あんたの背中でこっそり拭いてもたけど。ごめんちゃい・・・そうる(苦笑)。
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