***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2002年10月04日(金)どうしてあたしは。

昨日浮上したら。今日また沈む。
そんなもんです。幸せなんて。儚いもんです。

昨日あたしは。そうるに救われて幸せやったけど。
今朝起きたら目がえらいことになってた。
めばちこ?ものもらい?なんでしょう。とりあえず。
右の瞼が腫れあがってて、目が開かない状態で。
ぎゃーと思いながら眼科に駆け込んだ。

40歳後半ぐらいかな。おじさんドクターに。
「自分で思い当たることはありますか?」って聞かれて。
「ここ数日めちゃめちゃ泣いてたんですけど・・・。」って答えたら。
「あぁー。汚い手で擦ったんじゃない?」とか言われた。
そしてさらに。にやーっと笑って言った。
「恋人とケンカでもしたの?」って。

ケンカというかですね。軽くこじれたんですけどね。
てゆーかそんなことあなたに関係ないじゃないですか。
あたしは適当に笑って流して。むかつきながら病院を出た。


今日は講義はなかったけど。あたしは大学に行った。
昼練に向かうあたしは。再びブルーになってた。
昨日はあんなにもそうるに元気をもらったのに。
明日が試合となると。いろんなことを考えてへこんでた。
物分かりのいいフリをしたって。やっぱり試合に出たい。
やっぱりそうるに認められたい。そう思ってしまった。

昼練の後で。そうると2人きりになった。
正確には。あたしがそうなるように図った。
いつも一緒に学部まで帰る友達に。寄るところがあるって嘘をついて。
バイクと原チャのとこでそうると2人きりになった。

講義がもう終わって。そうるは家に帰るところで。
バイクに荷物をくくって。メットをかぶったそうるをあたしは引き止める。

あたしは何を話しただろう。よく思い出せない。
たぶん愚痴っぽい話になったんだと思う。
優しいそうるをはけ口にして。あたしはいろんなことを言った。
そうるは話を聞いてくれたけど。バイクにまたがったままで。
メットもかぶったままで。何度もエンジンを噴かしたりしてた。

あたしはそんなそうるの聞く姿勢にむかついてた。
人の話を聞く態度やと思えん。なんでそんなふうなんやろう。
家に帰りたい態度を全面に出してるそうるに逆ギレして。あたしは言った。
「帰りたいんやろ。もうええで。」って。

「まだなんか思うことあったらメールして。」って。
「最後になんか言いたいことあったら聞くけど。」って。
そうるは言った。その言葉もあたしの神経を逆なでした。
あたしはまだ話し足りんのに。なんでそうるはそうなんやろう。
ばかそうる。なんで。なんで。

自虐的にあたしは笑って言った。
「そんなに帰りたいんなら帰ってええで。」って。
最低。引き止めたのはあたしのクセに。
でも。いったん溢れ出した汚い感情は止められなかった。

そうるはため息をひとつついて。あたしをじっと見て言った。
冷たい凍りつくような視線が。低い声が。あたしを貫いた。
「明日試合やろ。テンション下げたくないねん。」
「あんたも早く寝なあかんで。治るもんも治らんで。」
そして。エンジンを噴かす。そしてあたしの方を見ずに。
「じゃあ。」って言って。バイクで去って行った。

5メートルほど行ったところで。友達に会ったらしくて。
そうるのしゃべってる声が聞こえた。
あたしは。その声を背にして。泣いた。限界やった。
戻ってきてくれるそうるをちょっとだけ期待した。
でも。1度止まったバイクのエンジン音は。再び聞こえてきて。
そして。どんどん遠くに行ってしまった。
そうるは。あたしのところに戻ってはくれなかった。


人目もはばからずに。あたしは泣いた。
寂しかった。苦しかった。やりきれなかった。
一緒にいてほしい気持ちを。そうるは分かってくれなかった。
分かってくれると望んでた自分が。救ってもらえると期待してた自分が。
どうしようもなく惨めで。情けなかった。

横を通り過ぎてく教授に声をかけられる。
顔見知りの教授。でも。馴れ馴れしくて大キライな教授。
「どうしたん?さっきの恋人か?泣かされたんか?」
そう言ってにやっと笑って立ち去って行く。

泣かされたわけじゃない。そうるが悪いわけじゃない。
なによ。医者も。教授も。そうるは悪くなんかない。
あたしが悪いんやって。あたしが勝手なだけなんやって。
あたしの恋人は。何も悪くなんかないんやって。


あたしはどうして。自分の力で這い上がろうとしないんやろう。
どうして。そうるに救われることばっかり求めるんやろう。
そして。どうしていつも自分のことしか見えなくなるんやろう。
そうるの言うことは正しい。明日は試合やのに。
あたしのこんな情けない話とかでテンション下げさせてもた。
なんで。そうるのことをもっと考えられんのやろう。
自分のことを思いやってほしいと望むのなら。
どうして同じだけ相手のことを思いやれないんやろう。


ねぇそうる。あたしは。こんな自分が嫌い。
あんたに求めるばっかりで。あんたを縛ってしまう。
チームにおいて。あたしだけが特別なわけじゃないのに。
分かっているといいながら。あたしはきっと分かってないんや。
ほんまに分かってたら。あんたにこんなに寄りかかったりせーへん。

ごめん。そうる。面倒なあたしでごめん。
明日は。絶対勝とうね。もうあたし。余計なことは考えへんから。

あぁ・・・零れるな。涙。しっかりしろ。あたし。





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