***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2002年09月15日(日)失いたくないもの。

昨日酔いつぶれてあたしの部屋に泊まったそうる。
ベッドで寝息をたてるそうるに、あたしは寄り添った。
いつもそうしてもらうようにそうるを抱き締めた。

そうるの寝顔を見て。髪を撫でて。口づけて。
あたしは複雑な気持ちだった。
愛してるけど許せなくて。憎らしいけど愛しくて。
そんな自分でも理解しきれない感情を抱えて眠った。


あたしは9時半に目覚めて。そうるはまだ眠ってた。
あたしはここに昨日の分の日記を書いてからごはんを作った。
和食派のそうるのために。お味噌汁と玉子焼き。
それからそうるの好きな大根おろしを添えた納豆も用意しなきゃ。
冷蔵庫に鮭があったから焼いてもいいかな。
朝&昼一緒になりそうだし、これぐらい量があってもいい。

苦しい気持ちを忘れるように。何も考えないように。
コトコト音を立てながらキッチンに立ってたら。
そうるはようやく起きてきた。

「・・・んー。おはよう。」眠そうに目をこするそうる。
ベッドの上で伸びをして布団をたたむそうる。
あたしの大好きなそうる。


言いたいことがいっぱいあった。
気持ちのすべてをぶちまけてやりたいと思った。
昨日あたしが感じてたこと。
不安とか。嫉妬とか。独占欲とか。
そういう汚い感情のすべてをぶつけたいと思った。

あたしだけが苦しくて。そうるだけが平気で。
そんなのやっぱりおかしい。
あたしだけが我慢して。そうるだけが自由で。
そんなのもう辛すぎる。

言うことはそうるを傷つけるだろうけど。
そうるを傷つけた事実であたしも傷つくけど。
もうこれ以上は抱えられないと思った。


どうやって切り出すべきか考えながら。
あたしは黙ってお味噌汁に入れる玉ねぎを切ってた。
そうるはあたしの背後に来て。覗き込んで言った。
「あ。玉ねぎの味噌汁や。うれし。ありがと。」
そう言って。あたしの頭をポンポンって叩いて。
そうるは顔を洗いに洗面所に行った。

あたしは。涙が出た。

あたしは不満すら言えない。
そうるの前で。ちょっと触れられただけで。
言いたいことはすべて飲み込まれてしまった。
そんな自分が情けなくて。涙が出た。

こんな小さな「ポンポン」でも。
あたしには絶対に失いたくないもの。
今の気持ちを伝えることで。もしこれを失うことになったら。
それ以上に。もしそうる自身を失うことになったら。
あたしはきっともう心が壊れて生きていけない。

そう思ったら。やっぱりどうしても言えなかった。


ねぇそうる。あんたを疑ってるわけじゃない。
あたしの今抱えてるちょっと重い感情をを知ったからって、
あんたはあたしをキライにはならへん。そう信じたい。
でも。でも。どこかで信じきれへんあたしがいて。
もしかしたら。もしかしたら。終わってしまうかもしれへんって。
怖くて怖くてたまらへんあたしがいて。

やっぱりやめよう。心の中に閉まっておこう。
そう思ってあんたが顔を洗ってるうちに涙を拭いた。
もしもバレたら玉ねぎのせいにすればいい。
あたしは泣いてなんかいない。大丈夫。まだ笑える。
がんばらんと。ちゃんとせんと。そう思ってた。
・・・そんなあたしのこと、あんたは知るはずもないけど。


一緒にごはんを食べて、昼過ぎにそうるは家に帰った。
「来週は試験週間やし、ちゃんと勉強せなー。」って言うそうるに。
「よっしゃ。寂しくなったらあたしを思い出しー。」なんて。
いつものように冗談を言う。そして短いキスをひとつもらう。
いろんなことをぐちゃぐちゃと考えてた頭だったけど。
やっぱりそうるのキスはあたしをちょっと幸せにした。
そんな事実に。あたしはまた苦しくなった。

そうるが帰った後で。あたしはひとりで泣いた。

我慢した。ぶちまけなかった。
でもあたしはちっともえらくなんかない。
言いたいこともまともに言えない。ただの弱虫だ。
キライ。こんな自分は大キライ。





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written by さあや

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