今日の試合。結果・・・快勝☆ 8月前半からもう3連勝☆あぁ・・・嬉しすぎる(涙)。 今までの2試合に比べて、今日は厳しい試合ではあったけど。 その勝利を手に入れた瞬間の喜びは最高だった。
そしてあたしの最愛の人、そうるに関しては。 今日は愛したり憎んだり苦しかった。 取るに足らないことかもしれない。 小さな小さなことかもしれない。 でもそんなことで喜んだり悲しんだり。 そうやって揺すられるのがあたし。
愛しい気持ちで心が締め付けられる。 憎らしい気持ちで心が締め付けられる。 あたしは結局。そうるを思っている限り。 どう転んでも締め付けられてばっかりなんだ。 そんなことに改めて気づいた1日だった。
まず。嬉しかったこと。愛しかったそうる。 それは試合中のそうる。
今日の試合。あたしはいつもよりなんだか緊張してた。 そのせいかもしれない。いつもみたいに体がうまく動かなかった。 競り合って必死になってて。接触プレーでこけて。 その後ずっと足を引きずって。無理して走ってた。 そんなあたしをそうるはちゃんと見てた。 あたしだけのせいじゃないけど。 パタパタっと相手チームに点が入った後で。 ベンチで休憩中だったそうるはあたしを大声で呼んだ。
「ごめん。心配やからちょっとの間交代する。」 「後でちゃんと代わるから。足休めとき。」 そう言って。交代エリアで。あたしの手を握ってくれた。 一瞬だったけど。誰も気づかなかったけど。 確かにあたしの手を握ってくれた。
あたしの大好きなあの手だった。 いつだってあたしをひそかに守ってくれて。 そしてちゃんと導いてくれる。 体温の高いあたしとはやっぱり違って。 いつもひんやりと冷たい。 あたしの知ってるそうるの手だった。
ベンチに入ったあたしにマネージャーがコールドスプレーをかけてくれる。 あたしは。足の痛みと。最愛の人の優しさに。 ちょっと泣きそうになって顔をしかめる。 そうる。そうる。そうる。 コートに走っていくあんたの背中を見て。 あたしは心の中で呼びかける。
大勢いるチームの選手の中で。 ちゃんとあたしのことを見ててくれたそうるに。 痛い足とか。ちょっと焦ってる気持ちとか。 そういうのにちゃんと気づいてくれたそうるに。 あたしはどうしようもなく揺すられた。 そうるを抱き締めたくて仕方なかった。
そして悲しかったこと。憎らしかったそうる。 それは飲み会でのそうる。
今日の飲み会はほとんどそうるとは絡まなかった。 席が遠かったのもあるけど。 そうるはあたしと離れたところで飲んでた。 試合を見にきてくれたOGさんたちも参加してて。 そうるは散々飲まされて散々いじられてた。 「彼氏のことのろけてよー。」って。 そうるもそうるで。いい感じに酔って調子に乗って。 「いやーでも会わない方がいいですよ。」とか。 「ほんまにブサイクですから。」とか。 そんなことをいっぱい言ってた。
あたしはそれなりに飲んで。楽しんでたけど。 そんなそうるを見て。ちょっと嬉しそうな声を聞いて。 耐えられなくなって席を立った。 トイレで。ひとり泣きたいのを堪えてた。
あたしに聞こえないと思ってたんだろうか。 それともあたしの存在すら忘れてたんだろうか。 お酒の席のことだ。そうるだって酔ってるんだ。 ちょっとぐらいの粗相は許すべきかもしれない。 あたしは自分に言い聞かせて席に戻った。
相変わらず。そうるの声はまる聞こえだった。 当然だ。聞こえないはずがない。最愛の人の声なんだから。 言ってることは幸せなのろけばっかりだった。 あたしは聞こえないように友達との話に盛り上がる。 笑った。声をあげて。そうるの声を掻き消すように笑った。 でも聞きたくないその話は。どうしても聞こえてきた。
何を考えてそんなことが言えるんだろう。 あたしの気持ちなんか全然分かってない。 そんな話をあたしが聞いたらどう思うかとか。 少しぐらい思いやってくれてもいいんじゃないか。 あたしはお酒を飲んでも少しも酔えなかった。 頭は恐ろしいほどに冴えていて。 そうるを殴り飛ばしたい衝動に駆られた。
ねぇそうる。あんたはどうしてそうなんやろう。 試合中に。あんなにもあたしの気持ちを分かってくれて。 飲み会で。こんなにもあたしの気持ちが分かってなくて。 どれがほんとのあんたなのか。あたし分からないよ。 こんなにもあんたに振り回されるあたしの心を。 こんなにもあんたに囚われてるあたしの心を。 あんたはどう思ってるんやろう。 それ以前に分かってるんやろうか。
飲み会の帰り。めずらしく酔ってるそうるをあたしが抱える。 いつもはあたしが酔っててそうるに抱えられるのに。 あたしの肩に腕を回すそうる。そうるの腰に腕を回して支えるあたし。 誰が見てもきっと。酔いつぶれた友達を介抱するその友達。 あたしたちって何なんだろう。友達なんだろうか。
みんなと別れて電車に乗る。 あたしにもたれて寝息をたてるそうる。 あたしは間違いなくこの人を愛しいと感じている。 でも。この人はどうなんだろう。 本当にあたしを愛しいと感じてくれているんだろうか。
駅で起こして。バスに乗って。あたしの家に着いて。 その間。そうるはほとんど何も話さなくて。 「着いたで。」「うー。」「歩けるか?」「うぅー。」 ずっとそんな感じのそうるだったから。 あたしはひとりでこんなふうにいろんなことを考えてた。 そしたらやっぱり苦しくなった。
家について。そうるはすぐベッドに横になって眠った。 あたしは。そんなそうるを見て。 愛しさと憎らしさと。 抱き締めたい感情と殴り飛ばしたい感情と。 相反するものに苦しめられてどうしようもなくて。
堪え切れずに。・・・何度も口づけた。
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