***☆For My Dearest☆***



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男でも女でも関係ない。1人の人間として。
そうるはあたしにとって。かけがえのない最愛の人。

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2002年09月01日(日)忘れないから。

今日もあたしは試験勉強。そうるはバイト。
会えないのは2日目。・・・たった2日でこんなに寂しいなんて。
あたしみたいなのには遠距離恋愛はムリってつくづく思う。

朝の5時半にそうるからメールがあった。
内容はサークル関係の連絡だったけど。
今日はきっとバイト7時入りのオープニングなんやろうな。
ひゃー。お疲れさんや。ほんまよく働くそうる。
「朝早いなぁ。あんま無理したらあかんで。」って。
あたしは用件の返事に一言添えてメールを返す。

勉強の合間に日記を読み返してみて思った。
あたしは何度も同じことを言ってるなぁ。
「そうるはみんなのいるとこでは冷たい。」って。
これじゃそうるがなんだか裏表のある人みたいやし(苦笑)。
ほんまにそうかな。いつも冷たかったかな。
そうじゃないことはなかったかな。
思いをめぐらせるうちにあたしは思い出す。

それは去年の春の合宿の時。


あの頃のあたしは精神的にかなりやられてた。
理由は・・・親の離婚問題。
今はそんなことがあったのがウソみたいに仲のいい両親だけど、
あの頃は本当にぐちゃぐちゃで最悪だった。
顔を合わせれば言い争うばかり。
あたしは家にいるのが本気でイヤだった。
誰かに話したかったけど誰にも話せなかった。
そうるに聞いてほしかったけど、そんな家の事情まで相談していいのか、
それこそ重たいと感じられる気がして言えなかった。

でも合宿前日。いつも以上に激しい両親の言い争いに、
あたしはもう耐えられなくなってそうるにメールをした。
泣き言だらけのぐちゃぐちゃのメールだった。

そうるの返事は短かった。
「辛かったな。今はなんて言っていいか分からん。
 合宿中にちゃんと話聞くわ。うちでよかったら全部話して。」
あたしはそれだけでも救われた。



合宿初日の夜。あたしはそうるたちの部屋にいて。
みんなでごろ寝してるうちにそのまま眠ってしまった。
・・・正確にはうたた寝してて、そのまま眠ったフリをしてた。
そうるの隣で寝転んでいるのは幸せだったから。
でもあたしがその部屋で寝ると布団がひとつ足りない。
誰か代わりにあたしの部屋に行って寝るかって話になって。
あたしが寝てたのがそうるの布団だったから、
じゃあそうるが行くかーって話になった時。そうるは言ってくれた。
「うちこの子と一緒の布団で寝るわ。」って。
「狭くない?」「寝にくいやろ?」とか友達に言われて、
「んー。でも移動とかめんどいし。ええわ。」って。
そっけない理由づけもそうるらしくて。なんだかおかしかった。

それから合宿最終日の夜。
みんなで集まってだらだらしゃべってた時に、
そうるはあたしを連れ出してくれた。
「向こう言ってしゃべろっか。」って。
あたしは黙ってそうるについて行った。
みんなのいるロビーからちょっと離れたところで。
ポツポツと話し始めたあたしの手をずっと握っててくれた。
「話して楽になるなら全部話してええんやで。」って。
「そんな限界になるまで抱えんでええんやで。」って。
ついには泣き出したあたしをそっと抱き締めてくれた。
あったかかった。守られてる気がした。


ねぇそうる。あたしには分かったよ。
初日一緒に眠ってくれたあんたの優しさ。
精神的に弱ってるあたしをあんたは気遣ってくれたんやね。
だからあたしを起こしてひとり部屋に返すことも、
あんた自身があたしの部屋に行くこともしなかった。
あたしが1番安心できるところをあんたは知ってた。
それはあんたのぬくもりが感じられるところ。
だからあたしをそこにいさせてくれたんやね。

それから最終日あたしを連れ出してくれた優しさも。
あたしはちゃんと分かってたよ。
あんたはきっと、みんなと一緒にいる空間でも、
無理して笑ってるあたしに気づいてたんやね。
だから連れ出してくれたんやね。そして話を聞いてくれたんやね。

ねぇそうる。みんながいる時でもあんたは。
ちゃんとあたしのことを思いやってくれてた。
あたしのしんどさを忘れないで気遣ってくれてた。
あんたは。やっぱりいろんなことが見えていて。
そしてやっぱりあたしに優しかった。

あぁ。あの時は確かに感じていたはずやのに。
どうしてあたしは簡単に忘れてしまうんやろう。

ねぇそうる。ちょっとしたあんたの冷たさとかで。
ほんまのあんたの優しさが見えんくなるあたしを許してね。
あたしほんまはちゃんと分かってるから。

暗くなった部屋でみんなが寝静まった後で。
あたしの頭を何度も撫でてくれてたあんたのことも。
最後まで話しても泣き止まんかったあたしの手を引いて。
みんなに見つからんように外に連れて行ってくれたあんたのことも。

全部ちゃんと覚えてるから。絶対に忘れへんから。






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