ディリー?闇鍋アラカルト
DiaryINDEX|past|will
2002年10月02日(水) |
サボテンのお兄ちゃん・・・1 |
昭和の終わりごろ、いなっち=稲村りょうは「サボテンのお兄ちゃん」だった。 サボテンのお兄ちゃんというのは、近所に住む子供たちが僕をそう呼んでいたのだ。 事の始まりは僕が鉢植えに水を遣っていたら「お兄ちゃん、何してるの?」と隣りのアパートに住むTちゃんが声をかけてきたのだ。「今、鉢植えに水をあげてるんだよ。」「ふーん・・・」としばらく見ていたら「私もあげる。いい?」と聞いて来たので、「いいよ。」といって指差して「その鉢とそのはちに遣ってね。こちらには遣らないでね。」と教えたら、その通りに遣ってくれたのだ。素直な良い子だった(しかし、その子の母親からは叱られる事が多く泣き声が聞こえてくる事が多かったが・・・)。 その内にTちゃんは僕の部屋のドアをトントンして「あ そ ぼ」と言う様になり、サボテンのお兄ちゃんという名前も定着して来て、近所の子供たちも連れてくるようになった。この頃僕は酒場ミュージシャンの仕事だったので、昼は部屋にいることが多かった。沢山の子供たちが来るようになったのはやはり、僕の遊び方がダイナミックで面白かったのだろう。かくれんぼに鬼ごっこに抱っこにおんぶ・・・と書いて見ると普通のように感じられるかも知れないが、抱っこしたまま走り回ったり、振り回したり、ダンゴムシで遊んだり・・・と他のおとなたちがやらないような事もやってたから夢中になったのも無理はない。
一番多かった時には僕は一度に7人の子どもたちを相手にしていた。
|