ディリー?闇鍋アラカルト
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2002年08月27日(火) 芥川龍之介・・・1

 いなっちが文学者をテーマに文章を書くということはあまり無い。
 現在では小説やいわゆる文学を読む事が殆どなくなってしまった。
 それでも、芥川賞作家程度の文は書けるように思っていた。
 文学賞に応募しようかなと思った事も実はあるのだ。
 そう考えたのは、文を書いてお金に換えるには賞を貰うのが手っ取り早いかなと考えたからだ。ところが、審査員や読者受けする事より、書きたい内容しか書こうと思わないという性分なのでどうも文学賞にも向いていなそうなのだ。

 芥川龍之介の文を読んだのは子供の頃、「杜子春」「蜘蛛の糸」が最初だったように思う。童話のような感覚で読んだのだと思う。
 杜子春が地獄で、両親が鬼の責めに苦しむ場面を見て、思わず声を出してしまう場面は今も心に残っている。
 中学校の教科書には「トロッコ」が載っていた。
 トロッコを押してはるばると一人で帰るにはあまりに遠い道を帰らねばならぬ羽目になった良平少年。おとなになった良平が今でもその事を思い出すのは、作者の龍之介にとって、あの暗い夜道が続いているという感覚があるのかも知れない。
それは今の僕自身にも感じられる事でもある。僕自身という尺度でも、人類という尺度でも・・・・
 高校の教科書には「枯野抄」が載っていた。
「枯野抄」に描かれる芭蕉の死を見取る弟子たちの心・・・それは夏目漱石の死に際しての龍之介たちの心が元になっているだろう。このような事を僕は他に読んだ事が無かった。深い印象を持った。
 実は、高校時代に父親の急死にあうという体験をしたのでそうした心の状態というのも近いものを感じたのだ。どちらが先かは今は覚えていない。
 高校3年の時には芥川全集全9巻の後期の作品を3冊読んだ。


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