ディリー?闇鍋アラカルト
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2002年08月18日(日) 田舎で・・・その3

3年ぶりくらいで友人にKさんに会った。
この人は僕と同い年。高校時代の生物部で一緒だった人だ。
僕は昆虫班の班長、彼は植物班の班長。
昆虫少年だった僕が植物に目を向けるようになったのは彼の影響があると思う。
高山植物が好きなのも共通している。
僕は関東に住むようになり、彼は地元弘前で弘前公園の管理をするようになった。
道は分かれたが、弘前に行くことがあったら植物の話をしに公園にも寄ったものだった。
幾星霜かが過ぎ、彼は公園の桜の管理で「その人あり」と知られるようになった。「サクラを救え(文藝春秋社)」にも彼の名は登場し、NHKの人間マップにも登場した。その番組で高校時代の暗門の滝の生物調査の写真が出たのだそうだが、僕も写っていたらしい。その番組を見たのはハイキング仲間で、八甲田に一緒に行ったNさんだった。そしてこの時彼に車で送ってもらったのだった。
「サクラを救え」という本のタイトルはソメイヨシノが園芸品種できちんと管理しないと寿命が短い事から、つまり、日本の桜の名所の殆どがソメイヨシノで管理が行き届かず寿命目前という状態だからだ。ソメイヨシノの寿命は60年程と一般には言われている。
弘前公園には樹齢120年という日本最高齢のソメイヨシノがある。どれだけ弘前公園の管理が優れているかが、その事に表われている。日本全国の桜の名所の管理人が彼を尋ねて行ったものだった。

その彼がくも膜下出血で倒れたのは2000年4月の事だった。
彼は右半身不随。言葉もスラスラ出て来ない。それでも概念は彼の頭の中にある。それを表現しようとして表現出来ずにもどかしい彼の表情が痛々しい。
僕は食生活についてのアドバイスと家庭で出来るリハビリのやり方を実際にやって見せた。やる前と後とでは多少可動範囲が変わったように思う。継続して続けたらどこまで改善可能だろうか?
日本のサクラの未来の為にも、希望を失わずにいて欲しいと思う。


いなっち |MAILHomePage

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