ミドルエイジのビジネスマン
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2006年07月17日(月) 昔の仲間とゴルフ

連日大雨が続く梅雨のさなかに、どんな天気になるのかと気を揉んだが、一ホールごとにレインウェアを着たり脱いだりしながらも、最後まで土砂降りにはならずに済んだ。眼下に大河の緩やかな流れと緑豊かに広がる水田、見慣れた山々の頂上付近にかかる霧を見やりながら、今年も昔の仲間とゴルフをしてきた。

腕前の程は大部長とドッコイドッコイで、「親しみを覚える男」と、スマートなデザインのトラックを何台も使い、今や中堅ほどの運送会社の社長になったという「心優しい男」との3人で、キャディさんなしの乗用カートで出発だ。

「心優しい男」の腕前は、かなりの使い手レベルであるにもかかわらず、少しも偉ぶることなくその他ふたりを応援し、求められれば親切にアドバイスする。冗談を言い合い、笑い合い、励まし合いながら18ホールを回った。

地元に住んで各自の家から車で30分、休日料金でも一万円でプレーできるなら、旦那様(金持ちのこと)でなくても月に一度のラウンドするのは不可能ではない。

「心優しい男」の家は、小さな駅の前で運送業を営んでいた。まだ、もの心つくか付かないかの子供だった頃、親に連れられてその家に行ったとき、居合わせた彼が手に持っていたお菓子を半分に割り、何の迷いもなく大きな方を差し出してくれたのには本当に驚いた。本人は多分覚えていないだろうが、今でも鮮明な記憶として刻まれている。その後、小学校も低学年の頃に遊びに行ったことがあって、おもちゃの置いてある明るい壁紙の子供専用の部屋があるのにも洗練されたものを感じた。旦那様と言うほどのお金持ちではなかったろうが、家の中に漂う知的な雰囲気と子供を大切にしている暖かさにどこか都会的な香りを感じたものだった。

数十年を経ても失われることのなかった彼の善良さは、きっと今も会社経営に生かされているに違いない。荷主やドライバーの信頼を集め、おそらくライバルである同業者からさえ好かれていることだろう。ビジネスを成功させるのに生き馬の目を抜く鋭さだけが武器になるとは限らない。特に地方においては、経営者の人格そのものが会社の信用と直結する。経営者の一挙手一投足が人々の口の端にのぼり、小さな経済社会の中で瞬く間に利害関係者の耳に届くのだ。

表彰式で数々の賞を得た「心優しい男」は辛うじて下から何番目かに踏みとどまった大部長に自分が貰った賞品の「手振りそうめん」一箱を「これ、持ってけや」とさりげなく差し出した。きっと、はるばる千葉の辺りから参加したにもかかわらず持って帰るものの少ない男の家族に対する思いやりだろう。

しかし、それは本当に重かった。前日泊まった実家の兄嫁からも子供たちにと、重い和菓子を貰っていたし、雨を予想して余分の着替えや途中で読む本も持参していたのだ。肩に食い込むバッグの重量にあえぎながら東京駅の周りを彷徨うこととなった。彼の友情の重さは「手振りそうめん」一箱の重さだと、またひとつ思い出ができた。

それにしても羨ましいのは大部長とドッコイドッコイで「親しみを覚える男」だ。8月の別のコンペティションでまた一緒にゴルフをするという。「心優しい男」に教えてもらって上手になんかなるんじゃねえぞ!


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