ミドルエイジのビジネスマン
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それは先週のこと。
ついさっきまで、昼休みのコーヒーを飲みながらNHKの大河ドラマの話をしていた。源氏の血筋を引いた御曹司だと知った子役の牛若丸が衝動に駆られて滝壺に飛び込み、浮かび上がった時にはタッキーに変身していたという大部長の話に、なるほどそれはありそうな変身パターンだが、これまでの大河ドラマ史上で最も衝撃的だったのは、疱瘡にかかった子役の徳川吉宗が回復して包帯を取ったら西田敏行の顔に変わってしまい、アラ大変、かえって重症になってしまったじゃんと誰もがのけぞったという馬鹿話をしていたのは関連部署の仲間だった。
オフィスに戻るとその当人から呼ばれ、「実は、大部長も知っているあの会社に転職する」と突然言われ、再びのけぞった。知っているも何も、一緒にその会社の仕事をしたばかりじゃないか。それに、さっきまで一時間も一緒にいたんだからそのときに言えばいいだろうが。疱瘡の悪化した西田敏行どころじゃないでしょうに。
その転職は俗に言う、テーブルの向こう側に座るというやつだ。カッコ良く言えば、仕事ぶりに惚れ込まれてヘッドハンティングに遭ったのだ。ヘッドハンティング、う〜ん、いい響きだ。彼は実年齢よりも若く見えるので、最初はてっきり20代かと思って、よし、大部長が鍛えてやると意気込んで「オイお前、仕事というのはこういう風にやるんじゃ、良く覚えておけ」などと威勢良くかましていたら、四十過ぎのその道のプロだということが後で判明したこともあったナァ。
この時期、あの年齢で行ってしまうということは、もう戻ってこないということだ。世間ではこちらの会社もいわゆる「いい会社」と言われているはずだが、昨今色々な動きがあるので、まあ、よく考えた末だろうなと思ったり、いや、若く見える奴なので、向こうの会社が外見にだまされているかもしれない、電話してやろうなどと思ったり。
いずれにしても、転職を決断するということは自らが置かれた現状を変えていこうというエネルギーがあり、しかも自らの未来に希望があるということだ。まずはめでたい。どうか、今の晴ればれとした気持ちを忘れず、先方の会社に行っても活躍していただきたい。それから、時々は大部長のことも思い出してお昼の馬鹿話の相手をしに来てくださいね。エッ、一番の未来の希望はお前の顔を見なくてもよくなることだって?
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