ミドルエイジのビジネスマン
DiaryINDEXpastwill


2002年09月08日(日) ケータイの恋

2日がかりで「北の国から2002 遺言」を見た。どちらかといえば、前編の方がいつもの「北の国から」の雰囲気が出ていて良かったような気がする。

一番心に引っかかったのはメインストーリーとは関係のないところで、竹下景子の息子がフラッとやってきて、ものも言わず携帯のメールばかり気にしてピポパポと打っていた場面。実は、見知らぬ女の子のメル友と会うことになっていたが彼女はやってこない。大人達には彼の行動は不可解だが、半年も前からメールだけで付き合い続けているのだという。

相手の顔も住んでいる場所も、本当の名前さえ知らないが、交信する度に心の距離は急速に狭まっていく。心のつながり以外の夾雑物は全くないので、こちらも心を開いて素直に想いを連ねていけば、それがまたストレートに相手の心を打ち、互いの気持ちはさらに近づいていく。

お父さんが、赤い顔をして膨れたお腹を隠しもせず、晩酌のビールを飲んでいる隣の部屋では、息子や娘がこんな世界に住んでいるかもしれない。

インターネットを見ていても、「遠距離恋愛」という言葉によく出会うのは、彼が遠くの大学に行ってしまったとか、転勤で遠隔地に勤務しているようなケース以外に、もしかしたら、もともと遠くに住んでいる人に恋をしているという場合も結構あるのではないだろうか。

作者の倉本聰は生身の人間の匂いのしない恋などバッサリと切り捨てていたようだが、未来における「好縁社会」を標榜するわが堺屋太一先生はどんなコメントをされるのか聞いてみたい気もする。

それにつけても、メールの使える携帯電話が欲しいものだ。



MailHomePage