ミドルエイジのビジネスマン
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2002年09月15日(日) 島耕作サンとの再会

曇天の3連休にとっておきのお楽しみは「街の温泉施設」。といっても、本物の温泉ではなく大きな銭湯と言うべきか、備長炭の湯やら薬湯やら色々あって、人気の筆頭はやはり露天風呂。

休憩用の広間には漫画も備えてあり、なつかしい「課長 島耕作」を発見したので、通い詰めることになった。巷の噂では、島サンは今や取締役に出世したらしいのだが、ページのはずれそうになった本で読み直す課長の島サンは相変わらずお若く、バリバリ仕事をしている。

漫画の中で老夫婦の電気屋さんが、大手家電販売店が出店してきても真心で売る商売で頑張ろうとしている場面があったが、その息子はもはや諦めているようだった。先日、テレビでちょうどこの漫画のモデルとなった松下電器の特集をしていた。その中で電気屋さんのセミナーをやっていて、店の経営をコンピュータで診断し指導していた。どうやら、経営の近代化について来れない電気屋さんは切り捨てられる運命にあるらしい。あの老夫婦の電気屋さんはどうなったのだろうか。今頃熱海の老人向けケアマンションに入っておられるのではなかろうか(もはや、漫画とテレビと現実が頭の中で混然一体となっている)。

切れた電球の交換もできない家に電気屋さんが新しい電球を持ってきて取り替え、ついでに冷蔵庫のパンフレットを置いていく時代は終わってしまった。今、自分で使っているデジカメはインターネットで価格を比較し、秋葉原のはずれ、ショールームもないオフィスのような店で品番を指定して受け取ったものだし、息子に買ってあげたソニーの液晶ディスプレイはカニ料理屋の2階でお金を払い、宅急便で送られてきた。

時代の歯車がもう一回転し、グルッと回って、価格性能比ではなく、一緒に近所のお祭りを手伝う人柄の良い街の電気屋さんから買う日は果たして再来するのだろうか。町内の電気屋さんの笑顔も自分の幸せのうちだと思う時代が来るのだろうか。

課長島耕作は超有名人のため、インターネットの世界では彼の行動規範まで分析している方もいる。ここまで来ると、来週の頭には、会社の廊下で島サンとすれ違いそうな気がしてきた。


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