hana's note...葉那

 

 

その時のことからその後のことへ - 2003年07月02日(水)

母や祖母は、警察の事情聴取を受けたらしい。
病院以外で亡くなると、そういうことがあると聞いたことはあったが・・・。
二人とも気が動転していて、
内容が少し食い違うところがあったりもしたらしい。
しかし、状況などから向こうも考えてくれたのか、
事情聴取は1回で済んだそうだ。


30日は一睡もできなかった。
横になれと言われ少し休んだが、眠ることは全くできなかった。
30日から1日ぐらいまで、泣いてばかりだった。

1日、父を棺に入れた。
葬儀屋の人が、父の髭をそり、
舌をかんだ状態になっていた父の顔をマッサージ(?)して、
舌をひっこめてくれた。
硬直した父の体を動かし、服を着せられる状態にしていく葬儀屋さん。
されるがままの父の躰を見て、改めて死を感じた。
葬儀屋の人、父方の叔父、私、母で、父に服を着せた。
病院のパジャマを脱がせ、白い着物を着せ、草履を履かせたりした。
母は何度か父に呼びかけていた。
最後になっちゃうよ、お父さん、と。
全部着せたあと、最後だからと、家族で父の躰を触った。
何度触っても固く冷たいからだ。
あの暖かくやわらかかった頬も、ごつい手も冷たかった。
お別れのあと、父を棺に入れ、あることをした。
家族全員で布を裂き、それによって死者との縁を切るのだそうだ。
「みんなから縁切られちゃってどうすんの、お父さん」
母が言って泣いていた・・・。
私は、「それでもお父さんはお父さんだからね」と心で言いながら、泣いた。
父の顔の周りに菊の花を供えた。
棺の蓋をかぶせ、釘を打ち、見られるのは顔だけになった。

2日は、従兄弟に車を出してもらい、服を買いに行った。
本当に何も持ってこなかったのだ。
何度か父の顔を見た。
いつもの眠っている顔だった。


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