hana's note...葉那

 

 

そのときのこと - 2003年07月01日(火)

父の死因はくも膜下出血。
10箇所くらい出血が見られたそうだ。
いっぺんにぽん、と出血したらしい。
苦しんだ様子が全くない、というのが救いだった。

前日の土日、両親は、お友達夫婦と一緒に、
遊びに出ていた。
温泉で1泊して、日曜に帰ってきた。
日曜、父はどうも前日の酒が抜けてないな、と、
首筋を気にしたりしていたらしい。
それでも夜は、みんなで地元で寿司を食べ、酒を飲み、
楽しんでいたのだそうだ。
月曜、母が調子はどうだ、と聞くと、
「いいようだ、寝てれば大丈夫」と答えたそうだ。
顔色も悪くなかったらしく、母はそれを見て、仕事に行った。
その後9時ごろ、座って新聞を読むか何かしているのを祖母が見たそうだ。
それが、生きている父を見た最後。

うちのトイレは男性用と女性用があり、女性用は和式である。
父は、いつもの習慣で、朝、大をするために女子トイレに入った。
これまた習慣で、ドアに鍵をかけた。


夕方母が帰ってくると、トイレの前に父のスリッパがあった。
トイレにいるのだな、と思い母が声をかけるが、返事が無い。
叩いても叫んでも返事が無いので、ただごとではないと感じ、
母は男子トイレから手を伸ばして窓の鍵をあけ、
外に回って女子トイレをのぞいた。

そこには、紫色の顔をして倒れている父がいた。

母は慌てて祖父母を呼び、伯父を電話で呼び、
救急車を呼び、とにかく父を外へ出そうとした。
父は身長は高くないががっちりした体つきで重く、
母が外へ出そうとしたようだが出せなかったらしい。
祖父はトイレの窓から体を入れられず、伯父が父を外へ出したようだ。
(ここらへんの話はいまいちはっきりしない。)
その時すでに父の体は硬直し、冷たくなっていた。
救急車が到着し、救急の人が「もうだめだ」と言ったそうだが、
それでも病院まで連れて行ってくれた。

そして、死亡が確認された。


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