hana's note...葉那

 

 

突然 - 2003年06月30日(月)

父が亡くなった。

夕方、家にいるときに連絡をうけた。
この日は朝からどうにも起きられず、学校を休んでいた。
携帯に知らない番号から電話が何度も入るので、
怖くて出ずにいたら、今度は母の実家から電話がかかってきた。
出てみると伯母がこう言った。
「お父さんが倒れたから、すぐ帰ってきて」
慌てて着替え(パジャマでいた)、
財布と携帯をバッグに放り込んで家を出た。
携帯の番号の主は伯父だった。
準備の間に伯父からかかって来た電話内容では、危篤とのこと。
ついたら連絡をくれれば迎えに行くから、と言われた。
何があったの、と思いながら、とにかく急いで家につくことを考えた。
郵便局で金をおろし、駅で時刻表を確かめ、伯父に連絡。
様子に変わりは無いか、と聞いたらうん、と返ってきたのを覚えている。
一分一秒が長く感じられた。
ずっと頭の中で、お父さん、と呼びかけるようにしていた。

地元の駅につくと、伯父ではなく伯母が待っていた。
もしや・・・と思いながらバスを降りた。
伯母が私の肩をつかみ、こう言った。
「Tao、お父さん死んじゃった」
いやな予感は的中した。
危篤、と言われたときから少し覚悟をしておかなければと思っていたが、
いざ言われるとショックだった。
自分は大丈夫だから、と、伯母に言い、
一緒に迎えに来てくれた従兄弟の車で家に向かった。
病院に向かうとすれちがいになるかもしれないから、と。

家に着くと、ほぼ全ての部屋の電気がついた状態だった。
親戚が集まっていた。
家族では、祖母だけが家にいたような気がする。
気を落とすなよ、などと言われ、家族が帰ってくるのを待った。
しばらくして、車の音がし、私が呼ばれた。
泣いて、くしゃくしゃになった母の顔、泣き声。
「Tao、お父さん死んじゃった」
担架に乗ったまま家の中に運ばれ、下ろされ、布団の上に寝かされる父。
白い布を取ったその顔は、
いつもの寝顔と何ら変わりなかった。

涙がぽろぽろ出て止まらなかった。
集まっていた親類も泣いていた。
周りに人がいるのに耐えられなくなり、二階に逃げ、泣いた。
二階には、父の布団が敷きっぱなしになっていた。


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