たそがれまで
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2004年02月08日(日) 月明かり




流しを片づけていると、
目の前の窓から綺麗な月が見えた。
昨夜も一昨夜も一昨昨夜も。

昼間は雲がかかっていて日差しは頼りないほどなのに
夜になると雲が消え失せ、月も星も綺麗に見えた。

月が、とくに満月が綺麗に見えると
ついドライブに行きたくなる。
以前、自分を保つために夜のドライブをしていた頃の
癖が未だに治っていないようだ。

行き先なんて決めずに、運転席から月明かりが見える方向に走る。
BGMを最大にし、時にはウキウキと、時には泣きながら
ただひたすら車を走らせた。

一度スピード違反で切符を切られたことがあって
もともと泣いていたのに勘違いされて
警察官の人に慰められたこともあった。
「スピード違反くらいで人生終わりじゃないから、元気だして」って。
確か離婚を決めた夜だった。
子供二人と闘病している母を一人で背負うと決めた夜だった。


月を見ているといろんなことを思い出す。
昼間は飄々と馬鹿な話しばかりしていた私も、
月明かりの下ではいろいろなことを考えた。
悩み苦しんだのも夜、心癒されたのも夜。



ちょっとコンビニに行ってくるね。
十五夜だった一昨夜、子供が寝静まってから車で家を出た。
あのころのような無茶な走りはしないけれど、
家の窓から月を見るだけじゃもったいなく思って・・

うんと遠回りしてコンビニに立ち寄り、
夫の好きなデザートを買って家に戻った。

あの頃と違うのは、家に戻った時灯りが点いていて
待っていてくれる人がいるということ。

あの頃と同じだったのは、どこまでもどこまでも
月明かりが私に付いて来てくれたこと。


今夜は十七夜
少しずつ欠けていく月は寂しいけれど、
月齢が進むと必ず、また綺麗な月が見られることを知っているから
嘆くことはない。

多分、苦しみも悲しみも同じこと。
たぶん、きっと同じ。








東風 |MAILHomePage

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