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■ 微熱・・・テニプリ(リョ←手塚)
竜崎先生から昔の教え子の息子が入学してくると そういう話だけは聞いていた アメリカでジュニア大会4連続優勝する程の腕だと・・・ 正直に言うと面倒な事になったと思っていた
青学男子テニス部はただでさえ個性派揃いで 扱いに困る事しきりだというのに そこへ来て新入部員に桁違いの実力者が入る事は 恐らく規律を乱すもとになるだろう
そして俺の推測は外れてはいなかった
越前リョーマ アメリカ帰りでもあるこの新入部員は 全く周りに合わせようとはしなかった 何時でも何処でも自分は自分という意思を曲げない 越前はそれでもその実力でもって部内に その存在を認めさせてしまった
確かに実力はある 才能も恐らくは俺より遥かに・・・ だが越前からはテニスに対する熱意を感じなかった 越前に負けた海堂や乾がその悔しさをバネに 努力していたというのに越前は越前のまま・・・ 何も変わろうとはしなかった
このままでは越前はこれ以上は上を見ない そう思ったから試合をしようと思った このままで終って欲しくはなかったから・・・ もっと上を目指して欲しかったから・・・
そう思って愕然とした 今まで誰かに対してそんな風に感じた事はなかった 自分は誰に対しても同じように接する事が出来ると そう思っていたから・・・ 越前に対して特別な思いを持った自分が信じられなかった
越前と試合をした直後からずっと視線を感じる 俺を見る越前の視線を・・・ その視線に気付いてから俺の中に燠火のような熱を感じる その熱に浮されるかのように越前の事が頭から離れない
自分らしくない そう言い聞かせてみても効果は全くなかった 知らず瞳が越前を探しその姿を追っていた 越前が気付く前に目を逸らしてはいたけれど
熱が引かない・・・ あの日・・・あの試合の後から・・・ 俺の中で微熱が続いている・・・ それを認めるのは何だか癪に障るから・・・ 越前には絶対に悟られないように・・・
俺は部長の仮面を被り続ける・・・
2002年07月11日(木)
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