間借りなりにも!ぬか漬け食いねぇ!の巻 - 2002年08月02日(金) 今から3年ほど前の事。 私は旦那共々、義理の弟の家に住まわせてもらっていた。 ちょうど今頃の季節だった。 それまで旦那の転勤で名古屋に住んでいたのだが、 あまりにも急に東京に戻って来る事になったので、 アパート捜しが間に合わなかったのである。 弟は心良く承諾してくれた。 なんて、ナイスガイ! でも、助かった。あの時、間借りさせてもらえなければ、 今頃私達も川沿いの青いビニールシートの小屋で 東京アーバンライフを満喫しているとこだった。 弟は年輩者の多い団地に住んでいた。 そういう所は新参者には厳しい。 弟からも「何かとうるさい人が多いから気をつけて」 とのアドバイス有り。 特にマークすべきは、隣りに住む団地の婦人会役員、 Sさんという70歳ぐらいのおばあさんだという。 なーるほど、確かに面構えはツンとしている。 裏表の有りそうないかにも気難しそうなタイプ。 しか〜し、難しいと言われれば、 攻略してみたくなるのが私。 「できるだけ仲良くなって丸め込むか〜!」 と決めたその日から、営業トークで果敢に レシーブ!トス!アタ〜ック!である。 それが、功を奏したのか私とS婆さんは次第に 仲の良いお隣さんになっていったのであった。 そんなある日、たまたまS婆さんと外で話していた時、 S婆さんがぬか漬けを家で漬けている事を知る。 さすが、古き良き日本の女性、年期が入ってる。 私のように漬け物といえば、”エバラ食品の浅漬けの素” なんて言わない。 「いいですね〜、ぬか漬け。私大好きです。」 と言ったら、「今度持っていってあげるわ!」との 有り難いお言葉。 「いいんですか〜。」と恐縮しつつ 心の中では、思いっきり「しめしめ〜!」とニヤリ。 裏表のあるのは私かい!? そしてその日の夕方、早速Sさんはやって来た。 「隣りのSで〜す。漬け物もってきたわよ。」と 玄関のドア腰に言うので、ワクワクしながらドアを あけた途端、私のビックリしたのなんのって。 Sさんが立っていたのである。 キュウリをそのまま一本持って。 まるで、糠だらけのオリンピックの聖火を持つように。 直立不動でキュウリと突っ立ってたのである。 袋とか、タッパにも入れずに。 Sさんは「ホ〜ラ、キュウリのぬか漬け!」と言いながら、 プルンと前後にそれを軽く振る。 プルンと振られたキュウリは、まるで 「僕、キュウちゃんでしゅ。よろちく・・。」 と私にコックリと挨拶したかのようであった。 思わず「いいえ、こちらこそ・・。」 と言うところであった。 こうして、弟、私、旦那が見守る中、 きゅうちゃんはその日の食卓に上った。 Sさんがキュウリをムンズとわし掴みにして 立っていたのには驚いたが、そのあまりのおいしさに 「またくれないかな〜。」とか「今度はカブもいいな〜。」 と思う私であった。 次回へつづく・・・ ...
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