台所のすみっちょ...風子

 

 

オンナのかけら! - 2002年07月24日(水)

二十歳そこそこの時は、大して綺麗じゃぁなくても、

”若い女”っていう肩書きだけで得してた。

ピチピチ、ぷるんぷるんの肌と、ちょっとの胸の

膨らみさえあれば、結構おいしい思いもできたのであった。

例えば、帰省先の新潟市の繁華街でナンパされ、

食うだけ食って、お金も払わずトンズラできたことも数回。

また、スナックで飲んでいれば、

突然店の店員が近寄ってきて、「あちらのお客様からです」

等と私の目の前にアイスクリームを置いてくれたりする。

50ぐらいのオヤジからだった。

何故、アイスクリームか!?

タバコの煙りを鼻から勢い良く出しつつ、

酒をカッ食らう私のどこに、それを思い起こさせる

キュートなモノがあったのか!?

私はそのオヤジの眼力の無さに呆れたものだった。

食べたけど。

しかし当たり前の話、そんなおいしい時ってのは一瞬で

この歳になると、もう誰も女というだけでは、

構ってはくれない。

チッ!


そういうワケで、ここ一年ぐらい、

私は女であることが面倒臭くてしょーがない。

何故なら、いくら歳をとったとはいえ女は大変だからだ。

出掛けるたんびに化粧しなきゃいけないし、

このクソ暑いのに汗でべったりの体にほんの少し

チョビット膨らむ乳房があるってだけで、

ブラジャーつけなきゃなんないし。

別にしなくていいけど、すっぴんの顔をお年寄りが見て、

そのあまりのブスさに、発作で倒れたり、

中年女の乳首の形をもろ見せられる青年達も

迷惑つーモンだろう。

いったい、青年達にどういう風に興奮しろと言うのか!?

その他、化粧品にお金がかかったり、毎日お風呂に入り下着

を替えなきゃならなかったりと・・あ〜〜めんどくさい!


が、そうは言っても、やっぱり自分の老け度は気になる。

「いけない、いけない」等と思いなおしつつ、

剥げて散らばる女のかけらをドッコイショと拾っては

自分にくっつける日々。

拾う事に疲れかかると、旦那に

「ねえ、私ってもう一回ぐらい恋愛できるかな〜?」

とスットコドッコイの質問をしてみたりする。

すると彼はニコニコしながらサラっと言うのだった。

「ぜんぜん、大丈夫だよ〜。」と。

さすがだ。転職を繰り返し場数を踏んだ営業マンだけのこと

はある。そんな時でも営業トーク。



このうだるような暑さの中、私の面倒くさい度は上昇

の一途をたどるだろう。

秋には、女とも男とも区別のつかないヤツに

変身してるかもしれません。


                   おしまい。























...




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