あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2006年05月07日(日)

「わたくしたち」と口にしながら
あなたの指が私に触れず
私の眼差しがあなたから逸れてゆくことに
気づいているだろうか

よいのだよ、そのままで
良いのだよ、わたくしたちは仮初の

言葉よりも不確かな生き物なのだから

「わたくしたちは知っている」
「あなたの事を知っている」
「あなたを知っている」

触れ合わず、眼差しも交わさず
音だけが交錯して消えてゆく
そのはざまにある幻なのだから

「そう、知っているわ」

          けれどもぬくもりが、
           それは幻だろうかと、

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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe