あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2006年05月06日(土)

岸辺には雨がふっている
わたくしたちは並び立ち、向こう岸を眺めながら
水について語り続けている

 まるいね
   つめたいね

    まぶしいね
     やわらかいね

  さみしいね

   ……ちいさいね

確かめたと思う輪郭を、端から水玉が撃ち抜いてゆく
気づかないないふりをしながら
同じものを違う言葉で語り
見ていないのだと信じこもうとしている

 などと、いう、言葉、

 は、存在しては、

眼を閉じてしまえば、雨は止むだろう
川岸には私たちの、足跡が残されるだけで 

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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe