あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
(みおつくし) 2005年02月22日(火)

海のために櫂を捨て
泳いでゆく
鳥は羽で闇の深さを知る
私は、肺の奥で

水の中で生きる方法を
今は忘れてしまった
光が届かない場所には
輝く生き物がいる
じゅんぐりに光は絶え
新しい光がうまれ
そうして波は打ち寄せ
水は重くなるのだ

魚だった
ずっと昔の記憶は
瞼の裏側にしまわれている
取り出せない言葉は
水底に沈んでいる






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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe