枝を刈る 2004年11月21日(日)
僕には、切ることしかできないんだ 植木屋になった息子が笑う 日焼けしたその顔 土に汚れた腕 いつのまにお前は 木を植える男になったのだろう 違うよ、母さん 僕は切るんだ 鋸を鋏をチェーンソーを手に 切っても切っても伸びてくる枝を 切り落とすのが仕事なんだ 冬が終わるたびに 夏が来るたびに 空へ向かって伸ばされる腕を 蕾をつけた恥じらいを 切り落として失わせて お前は小さい頃から やさしい子だったから 愛されているでしょうよ ほら、なんて見事な庭だこと 息子は笑う 笑いながら鋏を取り出す そうだね母さん 僕は優しいから 切り落とさなければならないんだ この家がうつくしく育つように 切り落とす、 |
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