あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 小さきもの 2002年01月10日(木)

どんなに抱きしめたって
 どうせ一つにはなれないのだ
 愛がどれほどの熱を生み出そうと
 この粗雑な元素は融合など起こさない

 だから君を切り刻みたいと
 猛る武器を振り上げて
 切り刻む
 突き崩す
 君の僅かに開いた口からは
 嬌声が一つ二つ
 もっと と
 君も望むのだろう
 感情を説明するための回りくどく
 煩雑な言葉の連なりを乗り越えて
 イイ
 のか
 ヨクナイ
 のか
 それだけの世界に没してしまうことを

 等身大のままでは
 まるで見渡すことも出来ないくらい君は巨大なので
 とりあえず切り刻んで
 手に取れる小さなパーツだけを
 選んで
 自分のものにする  
 そう
 これくらい
 両手のひらに受けられるくらいが
 きっと愛するにはちょうどイイ




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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe