|
|
■■■
■■
■カムアウト
あなたに誕生日のメッセージを送って。 時間をおいて返ってきたレスを読んで。 …私って色男だなぁ…とか阿呆なことを思う。
…そうなんだよね。 私の性自認は、少なくとも女性を前にして女性のままではいられない。 女性として女性を愛する訳ではないからレズビアンとも言い難い。というか多分マイノリティ特有の嗅覚でもって感じるのだろう。私は純然たるビアンの方々に受けが悪い。いいんだけど。
想像してみてください。 …なんて言うつもりもない。 あまりにも想像できないと思う。 自認を裏切る肉体なんて。 身体がいつも私を裏切る。 前戯の極みから行為へと移れない。 或いは、男が私を抱く。
昔々、私は私の身体を受け入れた。 混乱の時期を経て、状況に静かに自分を馴染ませ、キレたように怒る男性自己を宥めて女に「成った」。 セクシャリティを弄び、女性性を剥き出しにしたり隠したりとひとり遊びを繰り返し、楽しむ。 誰も居なければ、可変の両性はある程度成立する。
それなのに。 相手が女性であったら、「抱けない」現実を突きつけられる。 相手が男だったら、何も知らず女の私だけを引きずり出して抱く。 最悪なことに、勘のいい男だと事後に気付くらしい。なにかは解らないまま。 戸惑う顔ももう、見たくない。
誰に何が出来る? あなたが目の前に立った瞬間、私は不整合を起こして人知れず崩壊しているのに。 認めてよ。 あなたに私は救えないんだって。 それしか安寧はないんだって。
手を握ってくれなくていい。 「救われないままの私」を認めて。
2004年06月11日(金)
|
|
|