告白は喉の奥
L.ニトロ



解け合える、という、哀しさ


元気を、分けてもらおうと思ったんだった。
ひとりは弱いから。
ひとりじゃない人から、元気のお裾分けをとか、甘えたことを思って。


疲れていた二人で、心の深いところに触れてしまい。
触れて「しまった」などとは、あなたはきっと思わない。
何もかもが、私には哀しい。

あなたの言ってることを理解できることも、
それをあなたの恋人が理解できないことも、
そんなことは意味がなくて。
暗いところを一緒に歩ける人を探してなんかいない。
ずっと。
だけどあなたがそこにいたいなら、もしかしたら、
…あなたの恋人よりも私の方が、上手に手を引けるね。
一緒に歩いて、そうして、

…ゆるせるよ、あなたを丸ごと。存在ごと。価値観ごと。
意味がないね。
その方が楽だとしても、あなたは許してくれる人を探すわけじゃない。
その道が苦しくないとしても、私は暗いところを歩きたいわけじゃない。

なんの意味もないね。
あなたの優しさも、私の寛容さも。


出逢うのが遅すぎたの、かもね。
好きな人を幸せにしたいと思う。安らいでふたり、暮らしていきたいと思う。
誰も幸せにできないと思う。安らぎなど私を苦しめるだけだと知っている。
自分を信じていた頃なら、自分の方が理解できるという理由で、あなたを抱き締められた。


告白は喉の奥。
飲み込めず、吐き出せず。
幸福になりたいとすら、思えないんだ。

2004年05月05日(水)
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