針仕事をしながら走り回るわけにはいかないので
静かに座って作業いたします。

心も穏やかで、澄んだ気持ちを味わうなどと言っておきながら
こういうのもナニなんですが、
キルト作りの様々な工程のなかで
最も興奮しているのがキルティング中なのです。

傍から見れば
退屈至極の根詰め仕事を延々と続けているように見えるらしいし、
実際、そうなんだけれど、
心の中は、もう、本当自由に羽ばたいているのでありまして
自分は天才ではなかろうか！などと吹っ飛んだ気分で
綿を挟んだ布に美しい陰影を施すわけです。
楽しいことを考えながら
美しいものを作っているわけで、
これは興奮します。

キルトの写真を眺める
新しい技法を学ぶ
生地を探す、集める
デザインを考える
布を切って色あわせをする
などなど
キルト作りの楽しさは様々ですが、
終わりまでの工程を決めてあるキルティングの楽しさの
極意は｢迷わない」ことにあるような気がします。

ただ単純に布をはぎ合わせるだけでも
美しさは表現できますが、
キルティングをすることで
布たちに更なる美しさと耐久性、保温性を与えます。

長い期間の作業になるためか
キルティングが苦手、というキルターが多いような気がしますが
私は、キルティングが好きなんです。

懲りすぎてなかなか作品が仕上がらないという
ジレンマに陥ったりもするんだけれどね。

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