めぐたれ暦。
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2002年10月27日(日)  >> 痕と後悔。




ケータイメールを打った。


『ぴこちゃんとぽぽちゃんが野良猫に』

って。



おシゴト中のだりんに、動揺の追い討ちをかける訳にはいかなかった。

だケド

どうしても重たくて耐えられなかった。



途端に、M嬢がデンワをくれた。

「野良猫も生きて行かなきゃならないんだからさ。」

彼女はそう云って慰めてくれた。


うん。ソレは、ワカってる。



永サンもメールをくれて

『見初められて花嫁に!!』

なんて茶化してくれた。彼女らしい。



N先輩もHりんもTちゃんも

朝陽も昇らないこんな早朝から、「元気だせ。」って云ってくれた。


ありがとう。





デモあたし、ホントにこう云って欲しかったのか?

誰かに慰めて欲しかったダケなのか?


多分、違う。



誰かに宣言してしまう事で

ソレによってリアクションを貰える事で


目の前の信じ難い現実を、ムリヤリ自分の中に押し込めようとしていたんだ。





朝陽が昇ってきた。


部屋中の窓を全開にして、肌寒い空気をお部屋いっぱいに取り込んだ。


昨夜聞いたぴーちゃんの鳴き声は現実のモノなんかじゃナイって事を

ほほの冷たさで、確認したような気がした。



ふと、ケータイが鳴った。

リコーダー音の『KYOTO/JUDY AND MARY』。だりんだ。


「どう?どっかにいた??」

ちょっと急いでる声。おシゴトの合い間なんだろうな。

「ううん?どこにも。どこにもいなくて、捜してて、デモ」

思ってる事は、最後マデ云えなかった。


「帰ってきたら、もっかいふたりで捜すゾ?」

あたしを慰めるように自分を奮い立たせるように、彼は云った。

「・・・うん。」

ウソっぽい返事をしてしまった。そんな気がした。


だって、もう涙は止まらなくなっていたから。





不意にベランダに目を向けたら

見慣れない野良猫が、フローリングに前足をかけていた。

ココ2〜3ヶ月で見かけ始めた、何とも無愛想で素っ気無い大きな大きなグレーのぶち猫。



直感。





・・・オマエ、か?





にじり寄ったら、イツモのようにそそくさと身を翻した。


気が付いたら

「ぴこちゃんとぽぽちゃんを返せ!!」

って叫んでいた。


そうして泣き崩れるあたしを、トナリのアパートの住人が階段の踊り場から見ていた。





あんなに小さな小さな生命。


あれほどまでに大きな相手じゃあ、どんなにどんなに怖かった事だろうか。





あたしが、ちゃんと窓を閉めてれば。

イツモ以上の換気なんか必要としないように、ブリーチなんてスプレーしてなければ。


病院になんて行っていなければ。

クダラナイおクスリなんか貰いに、でかけてさえいなければ。



今日でなくても良かったのに。





目の前にはもういない。気配すら感じない。


なのに

りっちゃんやあっちゃん達とは違って、目の前で事切れた訳なんかじゃない。


事実がソコにない。



けれど


突き刺さる現状と狂おしい現実ならば、充分過ぎるぐらいソコにあった。





ぴこちゃんとぽぽちゃんのフォトページは、もうスグ完成予定だった。





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