めぐたれ暦。

めぐたれ暦。
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2002年08月25日(日)　　＞＞　Ｈ先輩×②。謎の告白デンワから約２週間。平日の昼間に相手が制服で待ってるのを知りながらわざわざ自らも制服で待ち合わせる必要もなかろうと今日の無断欠席生徒数が２人は確定だろうな某高校女子生徒は小雨降る中、薄手の茶色いダッフルコートをまとってでかけた。「めぐっ！」呼び捨てにされたのにカチンときて、少し勢いをつけて声の主を探してみた。ちょっと女の子には好かれてそうなタイプのヒトが小走りに近寄ってきてその歩みを、目の前で止めた。「ありがとう。時間ぴったりだね」相手のイメージを想像もナニもしてなかったから普通に現れた普通のヒトに、ナンだかリアクションが取り辛かった。「はじめまして。Ｍ（←苗字。）です。」「知ってるよ（＾＾）俺がＮＨ！お昼まだだよね？まずは何か食べようか。何が好き？どーゆーの食べたい？？」ナンだか、やたらと上機嫌に見えたりして。食事をしてる時は、とても当り障りのナイ会話を続けた。ゴハンのお時間なんだもん。「ヘンに探り合うのもナンだかなぁ。」ってなカンジがしたから。食事がすむと「ちょっと待ってて」と、少し先のケーキ屋サンに身を隠したＨ先輩が真っ白な小箱を抱えながら駆け寄ってきて、「これから俺ん家こない？」と切り出した。「！？Ｈ先輩ん家？だってハナシならどこそこでも・・・」「めぐにとっては初対面で失礼かも知れない。でも、見せたいモノがあるんだ」当然、躊躇。デモ別に、ソレでナニがどうなる気もしないし。そんなこんなで小雨も降りしきる中、彼の部屋に到着。ご家族は不在らしい住宅街の中の家は、雨音も手伝ってヘンにシンとしていた。「適当に座って待ってて。ココアでも入れてくるから」「あ。デモそんな長居も出来ないし、お構いなく？」ヒロ先輩の部屋に入ると、余計に雨音が響き始めたような気がした。キッチンに向かっただろうなＨ先輩の物音は、この部屋までは聞こえてこない。暫くすると、部屋の隅に機械音を聞いた。コンポがタイマーで作動したようだ。流れてきたのは、小林明子の『恋におちて』。「・・・随分と古い曲がかかるなぁ。」ちょっとした違和感を感じながらも、次々流れるスローテンポなラブソングを耳にしていく。呆気に取られ始めた頃にはＡＳＫＡの、『はじまりはいつも雨』がかかってきた。何もする事がなかったカラか、歌詞がどんどん入ってきた。「～？？？」サスガなめぐも、ちょっと疑問を持ち始める。どうやらコレは彼の“マイベストラブソング集”らしい。１コーラスも終盤に差し掛かった頃ようやく部屋のドアが開いてホットココアとショートケーキをトレイに持った彼が現れた。「お待たせ。まだ熱いから、気を付けて飲んでね」そう云ってココアを差し出すと、傍らにケーキを置いた。「ありがとう。あの、コンポ・・・。」「あぁ、ちゃんとかかったんだね。ちょうど良かった。退屈してたでしょ？」「ちょうど良かった」って、ナニ？見計らってたの？逢ってゴハンしてこの部屋に辿り着いて、めぐがこの部屋でヒトリになるまで全部先に計算でもしてたの？？「俺、この歌好きなんだよね。ホラ」 ♪君の名前は優しさくらいよくあるけれど　呼べば素敵な　とても素敵な名前と気づいた♪ 「めぐの事、歌ってるみたいだ」・・・Ｈ先輩ヘンなスイッチ入っちゃったみたいデス。軽く空を見始めるＨ先輩を目の当たりにした緊張感ゼロめぐりん思わず、違うスイッチ入っちゃいマシた。さぁ、この空気をどう笑わずやり過ごすのか！？ ↑投票ボタン♪ ◇◆◇ めぐ。
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